白亜の殿堂 ３ 【Sho&Nino】

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Aちゃんが黙り込むと

ここまで黙っていたニノが口を開いた。



二「今回の件なんて、使い道としてはうってつけでしょ。
　賄賂の件が成功しても失敗しても、矢面に立つのは自幸党の呂崎議員。
　しかも、呂崎のスタンドプレーでAちゃんをホテルの部屋へ連れ込んだとして、
　それをスクープされても、民衆党は無関係」


連れ込むとか言うな！……って言うのも恥ずいじゃねーか！



翔「えーと！
　話をまとめると……
　プロデューサーは民衆党の尾崎。
　出演者は、尾崎のご贔屓ホステス、自幸党の呂崎、柴田陣営の秘書2人。
　スポンサーは民衆党だろ。党のヘソクリから金を出した」



遥「な〜んか、ややこしい話ですね〜。一回聞いただけじゃ、わけわかんない(笑)」



あっけらかんとした川瀬さんの声で、本件の謎解きは終了――という空気になった。




息を詰めていたAちゃんも、川瀬さんの声に刺激されて、ふぅ…と息をつく。

体の緊張が解けるのもわかった。


窓の外に向けられた瞳は……細かく左右に揺れてる。

頭の中はまだ回転中だな。

ターボをONにしたエンジンはすぐに停止できないのと同じで

しばしのアイドリングが必要――




・





俺と話す女の子は、だいたい川瀬さんみたいな反応がデフォルトだ。

反応するタイミングはそれぞれで
最後まで一応聞く――というか、聞く気も無いのに俺に喋らせる――って子もいるし
話の途中でぶった切る子もいる。



それがわかってるんだから、ざっくり、フワッと、簡単に話せばいいんだよ。

今回だって『民衆党が、呂崎の弱みを握って利用した』で済む話だ。

でも……




俺には無理




話すなら、キッチリ話す。
不要だっていうなら、何も話さない。



無理強いをするつもりは無いんだ。
不要っていう態度にも、どうこう言う気はない。好きにすればいい。




但し、これだけは譲れない。


聞かないのなら、俺の指示に従ってもらう。

疑問も反論も許さない――

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