53 side にーちゃん ページ3
・
いいよ。
お前は強くていい。
今はこうして近すぎるくらい近くにいても、いつかは別の人生を歩き出すんだから。
その時のために、俺は雅紀を突き放す。
いや、違うね……
俺は、俺自身を雅紀から引き離さなきゃいけない。
それがどれだけの苦痛を伴うものだとしても。
・
俺がいないと何もできない奴になればいい――
俺が差し出す手にすがりついて、俺だけを見て生きればいい――
理想と裏腹な欲望が、俺の中でドロドロと腐る。
――助けて――
そう言ってもらえたなら
俺は……
何もかもかなぐり捨てて、お前のために生きられるのにね……
・
おぞましすぎる欲望に、体がゾクッと震えた。
なに考えてんの、俺って奴は……。
毛布にうもれた雅紀の寝顔は、覗かれていることも知らずに幸せそうで。
欲望にまみれた俺の手は
汚してしまいたい欲望を満たしたまま
雅紀の額を撫でている……
・
ごめんな？
引き下げていた毛布を元に戻して
毛布からのぞく柔らかい髪に指を絡ませた。
サラサラと指をくすぐる髪が音もなく毛布に落ちかかる。
このまま、強いお前でいてくれ……な？
寝相が悪くても
寝ぼけ癖が治らなくてもいいからさ。
・
いつまでも眺めていたい気持ちを断ち切って
勢いをつけて立ち上がる。
しょうがない、雅紀の布団で寝ますかね。
・
「くそ……寒みぃ……」
持ち主不在の布団は、すっかり冷え切っていて
しばらくは自分の体温を布団に奪われる一方で、とても眠れるとは思えない。
まあ、いいけどね。
眠りに落ちるまでの時間を使って、
明日の朝どうやって雅紀におしおきしてやるか、
たっぷり考えることにしましょうか……
第5話 Fin.
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智翔(プロフ) - いえいえ。お役に立てて光栄です。 (2017年10月5日 20時) (
レス) id: 04844b966d (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - 智翔さん» うわーーーーー教えて頂いてありがとうございます。同じ内容でしたーー。デザインいじった時に移動し間違えたみたいです!なんてこった。台無しですねーーあははははー。いや、ほんと、ありがとうございました。感謝です! (2017年10月5日 20時) (レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
智翔(プロフ) - 作品の感想じゃなくてすいません。私のアプリがバグっているのかもしれないのですが、97~99まてが全て同じ内容になっています。 (2017年10月5日 18時) (レス) id: 04844b966d (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - ebi信号さん» のほほ〜ん とカピバラの顔になれるくらい、ぬるめのお湯になっております(笑)。ロマンティック、ドラマティックは控えめになっており、若干物足りないかもしれませんが、ユルユルと2人を覗き見しちゃって下さいませ。 (2015年7月2日 18時) (レス) id: 95dfb52dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - おおお！ムフーな路線と思いきや、ナンダこの家。身体の刺々溶けてくぞ、ゆるっと暖かい。長時間浸かれるお風呂かな？ずぅーっと漂って……あれ？なんか急に熱い気が、熱っ！なんか沸いて来た？どこどこー？！キャードキドキ(>_<) (2015年7月2日 7時) (レス) id: 76d9f58a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんどまめ
| 作成日時：2014年11月29日 12時
