64 side にーちゃん ページ20
「行ってきたよ♪うちの学ランカフェ、超大盛況でさ。
ちょっと儲かっちゃったみたいなんだよねー」
「まだ7時なんですけど？お前のゼミの打ち上げってあれなの？教室でお菓子とジュース？」
「小学生のお楽しみ会じゃん、それ(笑)」
「この時間に帰って来るんじゃ、そんなもんでしょ」
もう、逆ギレというか……八つ当たりといいますか……
暴言でもなんでもいいから、のぼせた熱を吐きださないと、耳から湯気出そう……
「ちゃんと居酒屋で打ち上げました〜。
早番の人は早アガリして4時から打ち上げスタートだったんです〜」
「それ、前菜みたいなもんだろ？今から本チャンじゃないの？」
「ん。俺ねー、前菜でお腹いっぱい」
「そんな小食じゃねーだろーが」
「2時間も飲んで騒げば充分だよ。今朝早かったから、眠くなりそうだし」
「さっきから、言ってることに若さが足りないっつーのよ」
「いいから。ほら、帰ろ。1個持つからさ」
「いいよ、別に。重くないし」
こっちはそれどころじゃないんだって。
それ以上近づくんじゃないよ。
「いいから、ほら」
あ……
あーあ 引っ張りやがった……
ほぼ硬直してる俺の手が、ビニール袋と一緒に雅紀の方へ引き寄せられた。
もう、これ、なんとかなんないの？
俺の体、不自由すぎ……
雅紀がクスッと笑って、握った手の隙間に指を滑り込ませた。
っ！！
馬鹿、お前になんとかしてくれとは言ってないよ！
「いっぽ〜ん」
雅紀の指になぞられて、縮んだ人差し指がゆっくり伸びる
「にほ〜ん」
はいはい、2本ですよ。1の次は2……
「さんぼ〜ん」
さ……ん……やめ……小指がつる……
「ハイ、いただき」
指先に微かな熱を残して、雅紀の手が離れた。
ﾊｧｧｧｧｧ...
暗がりに紛れるように、のぼせた空気を吐き出して
宙に浮いた手をポケットに押し込んだ。
黙ってたら変でしょーが。何か言いなさいよ……俺……
「卵が入ってっから。振り回すなよ」
あーあ、つまんないコト言ってんね俺……
思った以上に、のぼせてますから。
暗くて良かったよ……
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えんどまめ(プロフ) - ebi信号さん» 柴犬顔…ﾌﾟｯ なるほど。オレンジ色の夕方!それ素敵〜!! もう帰らなきゃ……と背中を押されながら、何かが終わっていく寂しさとか、帰る家がある幸せが、心にこっそり忍び込んでくる感じ。アンニュイな兄弟の秋の夕暮れ・・・ぐふふ ご馳走様です。 (2017年9月25日 7時) (
レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - くっそぉ。柴犬顔のハイエナめ。たまらんっ！陽が落ち始めたオレンジ色の野っ腹に、やわやわ風に吹かれて遠くをみてる、そんな画がふと浮かびます。はぁ、癒されたー♪ (2017年9月24日 15時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - 11匹さん» どうもどうも〜ありがとうございます〜。妙なあとがきを書いちゃって、11匹さんの妄想を邪魔してないか心配(^^;) でもきっと皆それぞれ映像が浮かんでますよね。見せっこできるといいのにね〜。第三部もよろしかったらお付き合い下さいね〜。 (2014年10月1日 22時) (レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
11匹(プロフ) - 第二部、完結おめでとうございます( *´艸｀)景色と二人の背中や横顔やら想像してはドラマ的なカメラワークに飲み込まれてました。とても素敵なお話に今も気持ちがふわふわしてます。これからも二人を見守っていきたいです♪第三部も楽しみにしてます(〃￣ω￣〃ゞ (2014年10月1日 18時) (レス) id: 928f206419 (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - natikoさん» ありがとうございまーす。美味しく召し上がって頂けてよかった。あの曲、お好きですか！同志！現代の感覚では、野暮ったいと言われそうな言葉が並ぶ曲だけど、沁みる〜。雅紀君がヒマになったのでスタゲも妄想スタートだぜ☆ (2014年9月29日 7時) (レス) id: 2747b465dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんどまめ
| 作成日時：2014年9月16日 13時
