57 side にーちゃん (回想・6) ページ13
ちょっと光が見えて来ましたよ。
これは、なんとかなるかも……ね
と、この程度で満足してる場合でもないんで
次に進みましょうか。
「雅紀はそっちの段ボール箱、ここに持ってきて」
人差し指で、雅紀の視線を玄関に誘導する。
目を真ん丸くした雅紀が玄関を振り返ってる間に
俺は俺で、玄関とは逆方向に歩き出した。
「ほら、さっさと持ってこないと俺のが先に終わるよ？」
洗面所に放り込んである段ボール箱を運び出しながら
ボーッと立ってる雅紀を促した。
雅紀の顔は「何？何事なの？」って困惑一色。
頭の中、大混乱、でしょ。
雅紀の視線は、玄関に転がってる箱に移り、
俺が運んでる箱に移り、
俺の顔をマジマジと見て、
また玄関に戻った。
そうして、首をかしげながらも、箱を運び始める。
ん
ありがとね。
拒否したり、説明を求めることだってできるのに
それをしないで、雅紀は受け入れてくれる。
きっと受け入れてくれる……って、ほぼ確信していたから
俺はこんな茶番に踏み切れた。
お前の懐の深さにね、甘えさせてもらってます。
痩せた体にはちょっとキツいかもしれないけど、空箱だからさ。
少しだけ踏ん張って、あとちょっとだけ付き合ってよ、ね。
・
階段の上り口を塞ぐように、6個の段ボール箱が積み上がった。
「どーすんの、これ」
初めて雅紀の方から口を開いた。
「どーもしないわ。このまま」
「これじゃ、2階に上がれないじゃん」
「そ。バリケードだから、これでいいの」
どれも空箱だし、固定もしてない。崩そうと思えばいつでも崩せる。
そういう意味では、まったくバリケードとしての用は成してない。
けどね、大真面目にこれを積み上げたことで、雅紀に伝わってほしいことがある。
「今日から、2階の使用は禁止」
「ぇ……？」
「1階だけで生活すること」
「へ！？なんで！？」
「それから、飯は自炊。弁当とかカップ麺は全面禁止」
「え? え? どういうこと？」
雅紀は、まったくピンと来ない様子。
無理も無いよね。
あまりに唐突だしドタバタしすぎ(笑)それは俺もわかってる。
このバリケードはね、俺は本気で2階を封鎖するよって意思表示。
冗談でもなければ、思いつきでもなくて、
俺達はこれからずっと、一緒にリビングで生活するんだぞ って
雅紀にいつでも伝わるように……
まあ、そんなことは、雅紀に言う必要は無いことですけど。
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えんどまめ(プロフ) - ebi信号さん» 柴犬顔…ﾌﾟｯ なるほど。オレンジ色の夕方!それ素敵〜!! もう帰らなきゃ……と背中を押されながら、何かが終わっていく寂しさとか、帰る家がある幸せが、心にこっそり忍び込んでくる感じ。アンニュイな兄弟の秋の夕暮れ・・・ぐふふ ご馳走様です。 (2017年9月25日 7時) (
レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
ebi信号(プロフ) - くっそぉ。柴犬顔のハイエナめ。たまらんっ！陽が落ち始めたオレンジ色の野っ腹に、やわやわ風に吹かれて遠くをみてる、そんな画がふと浮かびます。はぁ、癒されたー♪ (2017年9月24日 15時) (レス) id: 7ab42f2331 (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - 11匹さん» どうもどうも〜ありがとうございます〜。妙なあとがきを書いちゃって、11匹さんの妄想を邪魔してないか心配(^^;) でもきっと皆それぞれ映像が浮かんでますよね。見せっこできるといいのにね〜。第三部もよろしかったらお付き合い下さいね〜。 (2014年10月1日 22時) (レス) id: 843d1c1e57 (このIDを非表示/違反報告)
11匹(プロフ) - 第二部、完結おめでとうございます( *´艸｀)景色と二人の背中や横顔やら想像してはドラマ的なカメラワークに飲み込まれてました。とても素敵なお話に今も気持ちがふわふわしてます。これからも二人を見守っていきたいです♪第三部も楽しみにしてます(〃￣ω￣〃ゞ (2014年10月1日 18時) (レス) id: 928f206419 (このIDを非表示/違反報告)
えんどまめ(プロフ) - natikoさん» ありがとうございまーす。美味しく召し上がって頂けてよかった。あの曲、お好きですか！同志！現代の感覚では、野暮ったいと言われそうな言葉が並ぶ曲だけど、沁みる〜。雅紀君がヒマになったのでスタゲも妄想スタートだぜ☆ (2014年9月29日 7時) (レス) id: 2747b465dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えんどまめ
| 作成日時：2014年9月16日 13時
