声が枯れるほど・・泣いた日に （ybxin）

＝涙・３＝ ページ3

土曜日の夜９時・・・。

残業を終え、デスクに突っ伏し

腕時計をため息をついて見る・・。



「はぁ・・。
　今日は、喫茶店・・閉まったな・・。」



誰もいないオフィスで・・１人呟いて

ダラダラと帰り支度をして、会社を出た・・。





夜の風は冷たくなって、

俺は、その風に向かってまた

大きなため息を吐きボソリと呟いた。



「慧くんに・・逢ってないな・・最近・・。」



ここ２週間ほど、慧くんに逢っていない。

・・マスターいわく、大学が忙しいらしく

喫茶店の手伝いを休んでいるそうだ・・。




「まぁ・・今日、
　行けても・・居なかっただろうな＿＿＿。」

また、空しく１人呟いて

言葉が、夜空に消えて行った＿＿＿＿＿＿。




逢いたいな・・。なんて、足元を見ながら

海岸通りを歩いて・・

フッと・・万国橋の所に人影を見た＿＿＿＿。

目を凝らして、その人影をなぞると・・・



「慧く・・ん・？」小さな声で呟き、

いい年して、嬉しくなって

・・早足で近付こうと・・・？


ただ、すぐに慧くんの様子に気付く＿＿＿＿＿＿。




慧くんは、橋に寄り掛かり・・肩を小さく揺らして

・・・両手で顔を覆っていた＿＿＿＿＿。






・・・肩が・・震えて・・？

泣いてい・る＿＿＿＿＿＿＿？






＿＿＿＿＿＿＿＿。






この時、俺は・・

そのまま通り過ぎれば・・良かったんだろうか？

声を掛けなければ＿＿＿＿？






＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿。






俺は、肩を震わせて背中を丸めた慧くんに

優しく、なるだけ優しく・・声を掛けた。

「慧くん・・どうしたの・・。」って＿＿＿＿。




慧くんは、肩をビクンッと震わせて

ゆっくりと顔を上げ



「・・・こう・たさん・・？」



震える小さな小さな声で言った＿＿＿＿＿＿＿。

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