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■黒尾鉄朗 ページ2

*
 
 
風呂上り。体は、自然と水分を求める。
自動販売機の前で何を飲むか数十秒悩んでいると
黒い影が横から飛んでくる。


「何してるんですか夜遅くに、烏野のお嬢さん」
「お嬢さんって呼び方やめて下さい」

「悩んでるなら先に買っちゃいますよ」
「はい、どーぞ」

Aが選んだのは、珈琲。

驚いて、じっと見つめる。

「何ですか?」

慣れた手付きで缶を開ける彼女は、まさしく大人な雰囲気を醸し出している。

「いやぁ、珈琲のイメージがなくて」
「黒尾さんは飲めそうですよね」

「…」
「もしかして、飲めないんですか?」

静かに手を伸ばし、選んだのは普通のお茶。

「もしかして、飲めないんですか?」
「2回も聞くな」

クスクスと笑うA。少し屈辱的だが、飲めないのは真実のため反論ができない。

「可愛いところもあるんですね」
「男にそれはないだろ」

お茶に口をつけ、はぁとため息をつく。

「ほら、ギャップ萌えってのもありますし」
「それはAちゃん、慰めてくれてるのかな」

彼女は、また笑う。
少し落ち着いてから、逆転を狙う。

「可愛いところもあるってことはさ

今まではカッコイイって思ってたってこと?」


ニヤリと笑い見つめれば
Aの顔は、赤く染まる。

「はい、今日も俺の勝ち」



*

(駆け引き上手な先輩と後輩)

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作者名:ばれん*翠羽 x他1人 | 作成日時:2015年12月6日 22時

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