地上 ページ6
しばらく歩き続けると、他の駅とは違う雰囲気を醸し出す駅があった。
彼女がメモにここから出れると書いた。
しかし、ゲートは閉まっていて迷っていたところ、いきなり光り出した。
後ろを見ると、ボロボロの液晶に、
「ナマコ端末を提示で開通します。」
ポケットから取り出し、かざして見ると、
バキッガタ×2
強化ガラスは割れ、傷だらけでも開いたのだった。
「オト…コワイ」
『おっけい伝わるすまんな』
急な坂のところは足に負担だが、体力もない彼女の為にも背負って登る。
あまりにも食料がなかったのか、体重が感じない程だった。
登り切ると、何かがあったような土地で開けており、壁側に大きな穴。
そこに続くように瓦礫の山が積み重なっていた。
『おお!こりゃすげえ』
「キヲ…ツケテ」
言う通り、不安定な足場ではある。
そして、自分の決めた進み方。
タッタッタ
走ってゴリ押す。
しかし、バカなのでその選択は間違いだった。
ガタガタガタ、
詰まった足場が崩れ始めたのだ。
「ヤダ…イヤダ!」
抱えながらも走る。
ガタガタ
『…っ!』
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『はぁはぁはぁ』
「コワカッタ…」
死ぬ所だったが、主人公補正のようなものがかかり、ギリ耐えたようだ。
あとは事務室のような場所で窓を割れば外だ。
まだ夕暮れぐらいだった。
しかし、ヨコヅナに襲われた当日なのか、次日なのかは分からない。
瓦礫の破片を投げてガラスを割る。
『外だ___』
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金の余裕があったからこそ買えた防水イカホ。
ここで役に立つとは思わなかった。
救助隊に連絡が通じたのもこの高性能イカホのお陰。
『お前は…とりあえずあの町って行ったことあるのか?』
遠目に見えるハイカラスクエアを指差しながら質問する。
彼女は首を横に振った。
『あそこは、お前なら輝ける場所だ。まずはけがの病院通院かもしれないがな。
でもお前はきっと輝くに値するさ。顔がいいのも含めてな。』
一応本心込みで話すと、嘘⁉︎と言わんばかりの表情だった。
<そりゃそうじゃ⭐︎>
救助隊が来て、手を振るとホバリング体制に入り、彼女を担ぎながらジャンプした。
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作者名:Wingdry | 作成日時:2024年1月9日 10時