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日記 ページ5

メモというよりは、日記に近かった。




それを痛みが消えるまでに読んでおきたい。



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攫われて初日。小さな部屋に沢山の同僚達が入れられている光景が目の前に広がっている。

騒げば謎の生物に連れて行かれ、戻ってくる事はなかった。

1人ずつ連れて行かれていくうちに、部屋は当たり前ではあるが、広く感じた。



私の番の時、誰かが暴れて謎の生物はみんなそっちに向かっていった。

そして連れて行かれた場所では、大規模なドームで謎の液体をかけられている同族の姿が見えた。

掛けられていた彼らは、抵抗しておらず、ロボットのように動き始めていた。

要であるゲソ…私はイカに対して恨みを持っていないが、同族からは嫌悪される言い方かな。

それが変色して、青緑が混ざった寒色になっていた。




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ここまでは普通の文章で書かれていた。



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なぜだかわからないが私の周りのみんなはおかしくなった。

私も言葉がうまく喋れなくなってしまったが、理性と筆記力だけは残っていた。

ここはネル社という会社の実験場だと言うことがわかった。

実験に使われている側で、沢山の実験の材料とされていた。

今はうまく逃げている。



建物の崩壊が始まって、同族たちはみんな水へ飲み込まれた。

私は運良く生きた。

でも助けは声が出ず、届かなかった。

食料もなく、死ぬかもしれない。

助けて。



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少し震えたような文字を読み取り、日記を閉じた。




そして、彼女の方を向き、




『さっさと脱出ってことでいいか?』




彼女は静かに頷いた。




すると、メモとペンを貸してくれ、と言うような動作をした為、渡した。




何かを書き始めるとすぐに終わり、こちらをみて、書いた内容を見せながら喋った。




「アリガトウ…」




書いてあった内容は、路線図のようなマップ。




現在点までしっかりと書かれていて、分かりやすかった。




『感謝する、早く行こう。』




そう言い、痛みに耐えながら歩き続けた。




人が変わっている事には自覚はなかった。

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作者名:Wingdry | 作成日時:2024年1月9日 10時

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