Episode9 虚突の新星 ページ24
青空の中に浮かぶ雲を覗きながら起床。
完全に寝ていたようだ。
時刻はチェックアウト間際。
12時間ぐらい寝ていたかもしれない。
荷物を持って退出。
さっさと未開の地を歩いた。
この辺ではバトルの練習をしている人も多く、ジムなどのトレーニング施設も豊富だった。
彼らが選ぶ理由はそれか…。
…昨日、帰ってはいけない気がしたのは何故だったのだろうか。
そんな思考の答えはすぐに出た。
「…7262、この羅列に聞き覚えはあるか?」
後ろからドスの効いた少し低い声が聞こえた。
『…………』
反応したくもなるが黙って進む。
「分かっているだろ、その反応は」
『…さっきから貴様はなんなんだ』
そう言いながら後ろを向く。
「君が探している人だよ、6945、この羅列も聞き覚えがあるだろ」
『…なるほど、ずいぶんと話が進んでくれるな…何故探していると分かったんだか』
「君が機密情報のあるファイルを盗んだ…って追ってる奴から聞いたよ」
現実味のない話が怪しさを倍増させる。
まあ…証拠はこちらにあり、聞いた逃亡者と気づいた追手で回答が違うことを聞くべきだろう。
想定して準備しているわけじゃあないが。
「…3年前程から犯罪をして、1、2ヶ月前に捕まった。
そして脱獄して来たんだ。
看守の中に追跡者がいたんだよ。
捕まって奴が情報バカみたいに漏らしてたよ。
殺される間際にテロ起きてマジでミラクルで難を逃れたって話。
…信じてくれんだったら嬉しいんだけどね。」
…まあ、信じてみないと話も進まないだろう。
捕まっても自己防衛でどうにかしよう。
残された道はそれしか無いんだ。
『…分かった。信じてみよう』
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作者名:Wingdry | 作成日時:2024年1月9日 10時