大敵 ページ23
ホテルの中でファイルから大事な情報を抜き出そうと夜な夜な続ける気だった。
少しずつ、見れば見るほど破れているページが確認できた。
単純に破れた…という感じではなく根本から丁寧に剥がされたような感じだった。
うーん…重要機密でも抜き取ってあるのかなぁ…。
あの建物がいつからあったかは調査が進むにつれて分かるだろうが、少なくとも「今」彼らの協力者は存在しているのだろう。
何度も言っているが、命に関わってきたり…
何より何か没頭できることがあるのが楽しい。
…このファイルも研究資料として渡した方がいいと考える者もいるだろう。
しかし、「協力者」がそれを知れば本気で追うだろう。
だから殺される前に殺すしかない。
そうして生きている。
『…そうか』
その為にはいくつかのアイテムが必要だ。
一つは「同じ境遇の協力者」。
一つは「社会的な味方」。
一つは「おびき寄せる餌」。
もうこれ人生のターンポイントだろ。
…まずは「同じ境遇の協力者」。
例のファイルに書かれていたもう1人の失踪者を探す。
最大難易度のタスクだが、狙われながら生活するよりはマシだ。
…あっちも記憶はないんだろうな。
そう思いながらファイルを見ているが…
『…zzz』
寝落ちしてしまった。
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<No side>
私は怒りに満ちた。
長年追っていたホシを見つけて出待ちしたのに、
何かを察されたのか、見失ってしまった。
やはり最初に出会った時に捕まえておくべきだったか。
くそ、くそったれ。
奴は絶対に思い出す前に捕らえないとならない。
総帥の形見は無くなっても、
残党で願いを果たすしかない。
もう1人はの方は予想は付いているんだ。
人も送らせて、不慮はないはずだ。
必ず捕らえて見せる。
逃すもんか。
「クレイ」…
「実験体、7262」よ。
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作者名:Wingdry | 作成日時:2024年1月9日 10時