孤独のバイト記録簿 (ページ6)

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暇と恨ページ6

一度街の船着き場に戻ることになり、俺を含めた２人は船に乗り込み、ツナギの男に別れを告げた。

男は、ヘリに乗って自分達とは、逆方向に向かっていった。

そして、船も動き出し、一人甲板に腰掛けていた。

マスクの彼は逆側の甲板でイカホをいじっていた。

普段では、使ったブキの整備をする時間だが、今回は、バンカラ地方のブキを借りた為、それがない。

…分かる通りとても暇である。

『金イクラを納めっよー(小声)』

ほら、歌っちゃうぐらい暇。

永く続く海が綺麗と感じながら、バイト漬けになった理由を思い出していた。

『……。』

〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰回想〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

生まれた時、右脚に先天性内反足という病気を患いながら生まれた。

少し経ち、足の形状が悪化し、切断することになり、１歳の若さで右脚の大半を失った。

まだ小さく、この時は義足もなかった。

学校というのもあるにはあったが、右脚のことで少しいじめを受け、不登校になったのを覚えている。

義足を付け始め、多少は歩けるようになった。

だけど、この頃両親が離婚し、捨て子にされたっけな。

それからは、少年院に引き取られた。

規則のある生活でも、学校よりは良かった。

それから2,3年後働いたお金を握りしめ、無事成人の歳を迎え、バトルに参加できるようになった。

沢山のイカタコがいるハイカラスクエアに着き、街の大きさに心底驚いていた。

まともなイカではない生活を送ってきたが、ついにバトル生活が始まったんだ…と錯覚していた。

家は、街近くのボロアパートの１室を借りた。

ギアとブキを貰い、バトルを始めたが、成績は全く振るわず、戦犯続きだった。

そんな中、負けた時のチームのメンツに、暴言、暴力、デマを流され、冷たい目で見られるようになった。

そして暴力が過激になり、目を潰された。

病院で、視力は取り留めたが、一部の器官が壊れ、光が入らなくなってしまった。

…深紅なのは元々。

その後も色々と言われ続け、バトルを引退した。

その後は働いた。ずっと働いていた。

でも儲からなかった。

高収入のクマサン商会を見つけた。

今に至る。

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