道 ページ4
「準備の出来次第頼むよ」
そう言われて、栄養ドリンクを一気飲みし、船場に行く。
いつもと変わらないはずなのに、高揚感がある。
それが幸せと感じるときだった。
船場近くに人影が見えた為、足早に向かう。
足音で気付いたのか、此方を見て会釈をした1人のバイター。
だが、彼はウェーダーの帽子と一緒にタコマスクをつけていた。
「…よろしくな〜。…てか何そのバイト着〜。」
奴はそう言ったが、こっちは会釈だけ返した。
「…………。」
奴は黙ってしまった。協力なのに流石に悪かったか?と思いながら船に乗り込んだ。
だが中々もう一人が来ず、ちょいとばかしイライラしていると、クマサンから放送が入った。
「もう一人は別の所から来るからね。では案内するよ。」
そう告げられ、船は進み始めた。
「別の所…?」
奴はそう独り言のように呟いていた。
確かに別の所と言うのは俺も知らない。このバイトは他の街にもあるのか?
「………。」
沈黙の間が長く続く、このことは俺にとっては嫌にならないが、奴にとってはあまり良い時間とは言えないだろう。イカは嫌いだが同じバイターとして話しかけるべきなのか?
そう考えていると、あっちから話しかけてきた。
「…なんで色違いのバイト着持ってんだ?」
そう言う質問だった。それに、
『まあ、クマサンに作ってもらったってぐらいかな。』
「俺も結構長くやってるけどどうやってそんなことになるんだよ〜。」
『正直わかんないかな。てか教えられない。ある理由でね。』
理由なんてないのにそう言って話を終わらせようとした。
正直せっかく話せそうだったのに、と少し後悔しながら。
「てかさ〜なんかここおかしくない?」
そう言いながら右足の部分を捲られた。
そこには俺の醜いこの義足が顕になっていた。
「…。」
驚いた様子でこっちを見ていた。俺は怒りが抑え切れなくなりそうだった。
「…すげえな、大丈夫なのかよこれ〜。
…何があったか教えてくれよ。」
奴はそう告げた。
この醜い姿のこの俺に…。
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ウィングドライ(プロフ) - 愛音@ゴーヘド愛は誰にも負けないさん» オリジナルストーリー褒めてくれるのは嬉しいですねぇ。コメントありがとうございます! (1月8日 19時) (レス) id: e7df631082 (このIDを非表示/違反報告)
愛音@ゴーヘド愛は誰にも負けない(プロフ) - この作品、面白いです。なんか救助の場面はハラハラしました…頑張ってください! (1月8日 13時) (レス) @page47 id: 8e86fe11f1 (このIDを非表示/違反報告)
ウィングドライ(プロフ) - ただの紺色さん» 改めてありがとうございました! (1月8日 9時) (レス) id: e7df631082 (このIDを非表示/違反報告)
ウィングドライ - ただの紺色さん» そう言ってくれると嬉しい限りです!頑張ります!(違う機種でId違うと思うのですいません!) (12月27日 21時) (レス) id: 8ee71409c0 (このIDを非表示/違反報告)
ただの紺色(プロフ) - この作品読んでて楽しい、、! 無理はしないでいいので次待ってます、、! (12月26日 19時) (レス) @page46 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Wingdry | 作成日時:2023年5月6日 20時