Episode1 代わり映えのない日常 ページ3
見た目が異様な俺は基本徒歩で町に行き、バイトに向かう。
クマサン商会は、家から遠く、3、40分ほどでつく。
ちゃっちゃと小走りで、シャッターを開け入る。
時間は早朝の3時、ほぼ誰も居ないのだが、見た目から癖で走ってしまう。
早速中に入り、ウェーダーに着替える。3年間働いていたら、クマサン直々に自分のメインカラーのレッドウェーダーをくれた。
これを俺はすごく気に入っている。
それから5ヶ月程経ったイマ。
今日はシェケナダムで仕事中だ。
編成はL3、ヴァリアブル、52、クアッドで悪くはない。
だが、バイトをバイト感覚でやっている奴とは絶対にやりたくない。その為クマサンに、カンスト勢との組み合わせを望んでいる。
「壁塗ってくれ」
「寄せ寄せ」
「誰かタワー倒してロラで彼処は無理」
このときだけは本当に楽しい。ウェーダーのお陰で義足が見えず、帽子に目隠しが付属しているから、目を見られる必要もない。自分専用のウェーダーがあることで、馬鹿にされることもない。
この時間だけは、本当に幸せだった。
俺は休まず週6,7日でクマサン商会に顔出ししている。
自分もクマサンも幸せだからそのことに対して何も思わなかった。
毎日早く起きて、出勤して、夜中まで働いて、帰るのを繰り返すだけ。そんな毎日。
でも、それが幸せなのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「大丈夫かい?」
『……!』
つい考え事でぼーっとしてしまう。
クマサンに話し掛けられて気付く事が増えた。
時間は夜の11時を回っていた。
「たまには外で遊んで来たらどうかい?」
クマサンは告げる。確かに今日は夜中なのに騒がしい。
「フェスに行ってきたらどうかね?リフレッシュも大事だよ」
フェス、俺の嫌いな言葉、行事だ。この醜いカラダを沢山のヒトに見られる。
『いや、大丈夫だ。次のシフトは?』
「キミは3年前から変わらないね」
そう言われる。自分でもそんなことは分かっている。
だが変われないのだ。一度バイトを辞めたときもあったが、結局馬鹿にされバイト漬けの毎日を送っていた。
そんな事を思い出していると、クマサンから。
「次のバイトは2分後程で始まる。だがフェスが始まったせいで人が少ない。3人だがいいかい?」
俺は座ったまま無言で頷いた。
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ウィングドライ(プロフ) - 愛音@ゴーヘド愛は誰にも負けないさん» オリジナルストーリー褒めてくれるのは嬉しいですねぇ。コメントありがとうございます! (1月8日 19時) (レス) id: e7df631082 (このIDを非表示/違反報告)
愛音@ゴーヘド愛は誰にも負けない(プロフ) - この作品、面白いです。なんか救助の場面はハラハラしました…頑張ってください! (1月8日 13時) (レス) @page47 id: 8e86fe11f1 (このIDを非表示/違反報告)
ウィングドライ(プロフ) - ただの紺色さん» 改めてありがとうございました! (1月8日 9時) (レス) id: e7df631082 (このIDを非表示/違反報告)
ウィングドライ - ただの紺色さん» そう言ってくれると嬉しい限りです!頑張ります!(違う機種でId違うと思うのですいません!) (12月27日 21時) (レス) id: 8ee71409c0 (このIDを非表示/違反報告)
ただの紺色(プロフ) - この作品読んでて楽しい、、! 無理はしないでいいので次待ってます、、! (12月26日 19時) (レス) @page46 id: ec9847f949 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Wingdry | 作成日時:2023年5月6日 20時