孤独のバイト記録簿 (ページ17)

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悲劇ページ17

全員を運び終わった後、ヘリの上から救助を手伝ってくれた彼ら2人にハイプレを撃ってアシストをする。

轟音が鳴り響く中、いきなり

「早く帰ってこーい！！」

と、運転手が声を荒げて言った。

ふと後ろを見ると、難破船を遥かに凌駕する高さの波が迫っていた。

「くっ！」

スパの彼女はスペシャルを使い切って帰る。

「うわー！」

ノヴァの彼もボムで足場を塗り帰ってくる。

『go!』

その声と同時にバラバラと音を立てながら上昇する。

だがかなり高く、中々波以上の高さに行かない。

「早く！」

ノヴァの彼が言う。

だがヘリが上がり切る前に波が来た。

誰もが目を瞑り、諦めかけた。

その波はヘリのアシ部分だけに掛かった。

生き地獄を体験した(体験したくもなかったケド)

そのままそそくさと帰ったその光景は少し笑った。

笑える状況でもなかったが、それでも救出できたその喜びが一番だった。

「怖かった…。」

ノヴァの彼とスパの彼女がほぼ同じタイミングで言う。

俺は4人の生命確認をしていた。

浮き輪の彼、意識不明。

浮き輪破損タコ、心肺停止。

イカ2人、両方意識不明。

そう確認出来た。

『死ぬなよ…あと少しだ…』

それから3分後、ついにクマサン商会に到着した。

到着していた医者にその場で状況を見てもらったが、イカ2人、無言浮輪は大丈夫と診断され、病院に搬送された。

…しかし、浮き輪破損の彼だけはその場で死亡が確認された。

仲間が1人減った事というよりも、遺族に助けられなくて申し訳ない、その気持ちが強かった。

涙が出たと同時に、強く拳を握り締めた。

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天候の悪化から起きた悲劇の事件、スパの彼女とノヴァの彼と共に救世主として商会内で祝いとたくさんの褒美も用意されていたが、全て拒否した。

目立ちたくもない、1人救うことが出来なかった。

なのに何が祝いだ…。

その日はそそくさと帰る準備をした後に一度だけ、少しの間だったが一緒に戦ってくれたスパとノヴァの2人に一礼をし、いつもの格好で商会を後にした。

外は未だに大雨が降り、天気はお世辞にもいいと言えないようなものだった。

雨の音だけが聞こえる町は普段と変わらない。

日常と同じように1人、駅まで歩いて行った。