孤独のバイト記録簿 (ページ15)

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救助ページ15

義足を一度外そうと試みたが、濡れている体で寒く、手が悴みうまく出来なかった。

すると無線が繋がった。

「大丈夫かい！？」

機械的な声でありながら、少し心配そうにしているような声で言った。

『ダメですね…。』

「今ヘリで救助に向かっている。みんなと一緒に待っていておくれ。」

みんななんていない。全員流された。それを言おうとする前に、無線は切れた。

だがそれはクマサン側が切った訳ではなくこちらの無線機器が波で壊れたからだという。

だがそれを知ることはなかった。

もう一度義足の接続部分を見ようとして、少し苦戦したが外す事に成功した。

そこはダラダラと血が流れていた。

荒波から来た水が沁み、苦痛を味わうが、もう一度つけ直し、立つことはできた。

そして数分後、ヘリが来た。運転手と救助隊2人が乗っていた。

痛みが続くながらも最後の力でヘリへスーパージャンプ。

そのままヘリの中で寝転がった。

「他の3人は！？」

1人の救助員がそう問う。

『全員…波に飲まれた。かなり前に』

「くっ…」

そう苦渋そうな顔をして出た彼の「くっ…」。一緒に涙が出ていた。

『探すしか…無いでしょう。』

「…はい。」

静かに聞いていた運転手が周辺を回る。

そこまで遠くに行ってないと踏んだのが吉と出て、かなり早く3人とも救出できた。

しかしダイナモの彼だけは意識がない状態だった。

急いで船着場に戻り、ダイナモの彼だけは病院に搬送された。

ノヴァとスパの2人は一度待機するとのこと。

足に手当てを自分でしている時、商会内に警報が鳴った。

「至急、第三組が難破船ドン・ブラコにて行方不明の事」

『…行くか。』

これ以上怪我人を増やしたくないという自分らしからぬ考え方で、救助要請に向かう事にした。

「俺らも行く。」

「これ以上大変な事になりたく無いからね。」

『…。』

優しさなのか、あるいは鮭畜すぎて呆れているのか真相は不明だが、スパとノヴァもついてきてくれる事になった。

ハイカラスクエアからも分かる程悪天候だが、危険な目にあった3人には何も感じなかった。

3人で先ほどのヘリに乗り込み、ドン・ブラコに向かった。