世界には愛しかない (ページ5)

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Aside

教室に入った私は……まず、その顔面偏差値の高さに驚いた。

いや、みんな揃いに揃って美形すぎでしょ。
こんなところに…私が入っていいのか……。

ていうか、教室に入って棒立ちは、きつい。
とりあえず席に座ろう。
すると、私の前にいたボブの子が小さく声を上げたのがわかった。

「リムジンの子…」

あ、この子、私のこと上から見てた女の子じゃない？
ていうか、リムジンの子って(笑)
まぁ、確かにびっくりするよね、あれは。

心の中で苦笑して、その子に聞く。

「……あの…えっと、後ろの席いいですか?」

すると、その子はまじまじと私を見つめる。
えっと…。
顔に、なにかついてる？

「ぁぁ…ぅん…」

あ、返事してくれた！
だけど、そのままその子は窓に顔を向けた。

……嫌われた？

すると…。

「…ねぇ！」
「わぁ！」

後ろから声をかけられて、思いっきりびっくりした！

「ごめんごめん！えっと、転校生？」

そう言いながら私に向かって笑う。
目が大きくて、顔が小さい女の子。

「私、原田葵っていうの！よろしくね！」
「う、うん…あ、AAって言います。よろしく…」

少し気圧されたけど、なんとか言葉を続ける。
げ、元気だなぁ…。

「ちょ、Aちゃん、ひいてるから！葵！バカ！」

葵っていうんだ。
べつにひいてはないよ？(笑)

後ろから出てきたのは髪がショートの女の子。体がすらっとしてて、モデルさんみたい。

「ごめんね、うちの葵が…」
「え、なにそれ！」
「うるさい！小学生！」

…なんか、やり取りがかわいい。

「あ、私、渡邉理佐！よろしく！」

理佐ちゃん。

「でね、あっちの二人は、志田と、梨加ちゃんっていうの」

あっちの二人？あ、あの子達か。

「よろしく！」
「…(ペコリ)」

志田だって子は何も屈託なく話しかけてくれて、梨加ちゃんって子は、ペコリと頭を下げた。

ていうか、ちょっと待った。
いきなり登場人物多すぎて、頭の整理が。

「えっと、葵ちゃんと、理佐ちゃんと、梨加ちゃんと、志田…さん」
「……と、平手。平手友梨奈」

平手友梨奈？
志田さんの言葉によって、また新たな登場人物が…。

「あのこ、ほら、あの片耳ピアスで、ボブの」

私を…上から見てた子。
平手さん？

「……よろしく」

それだけいうと、また窓に顔を向ける、平手さん。

「おい…それだけかよ」

志田さんは、そう言うと、平手さんになにか囁いた。

すると、平手さんの顔が一瞬にして真っ赤になったのがわかる。

…？