世界には愛しかない (ページ15)

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Aside

そこからバスに乗って、会場につく。

「おはよ。友梨奈、愛佳、葵、理佐……と…」

後ろから急に声をかけられてびっくり。
ふりかえると、そこにはキレイな顔立ちをした背が高い女の子が微笑んでた。

「瑞穂。おはよ。今日は頑張ろ」

てちと仲良さげ。

「あ、確か転校生の子でしょ？AAちゃんだよね」

そう聞かれて、私はペコリと頭を下げる。

「私、土生瑞穂っていうの。バスケ部で隣のクラス。よろしくね」

そういえば、廊下ですれ違ったことあるかも。
身長が高くてきれいだから、覚えてたんだ。

すると、瑞穂ちゃんは嬉しそうな顔をした。

「私も覚えてる！Aちゃんと廊下ですれ違ったの」
「ほんと?!」

嬉しいなぁ。

「あ、私のこと、瑞穂って呼び捨てて欲しい…かな…」

言われて、頷く。

「私のこともAでいいよ」
「いいの？ありがとう！」

別に、呼ばれて減るものじゃないしね。

ん？なんか視線を感じる。
てち？どうしたのよ、そのジト目。

聞こうとすると、誰かが私の前に立った。

「土生ちゃん！はい、タオル！」
「あ、美波。ありがと。この子、転校生で見学のA」
「転校生？私、小池美波って言います！葵とマネージャーやってるの」

へぇ〜。
小柄で、やや関西弁イントネーションの可愛い美波ちゃん。

…だから、なんでてちはジト目なのよ。

その後も何人かのバスケ部の子と挨拶をした。

「ウォーミングアップいくよ！」
「はい！」

ストレッチをしてるみんなを見ながら、葵ちゃんと美波ちゃんのスポーツドリンクづくりを手伝ってます。

「……私ね、好きな人がおるんだ」

おぉ、いきなりね、美波ちゃん。

「え、誰〜？」

こら、葵ちゃん、そんなど直球に聞かないの。
私は…さっきだいたいわかったけどね。

「……ﾎﾞｿ、瑞穂でしょ？」

そうささやくと…。

「……なんでわかるん…」

真っ赤になる美波ちゃん。(笑)
そりゃわかるよ。

「幼稚園のときから好きなんよ…。いつになったら気づくんかな、あの鈍感は…」

幼稚園から！
長い片思いですね……。

すると、さっきからもじもじしてたてちがこっちに来た。

どうしたの？

「……あのさ、今日は絶対勝つから」
「うん？」
「だから…見ててね」
「うん！」
「じゃあ、それだけ！」

それだけ言って、笑顔になるてち。
なんだったんだろ？(笑)