考える絵描きは暗殺教室の世界を描き尽くす (ページ16)

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episode.１.１２ページ16

いつもの教室。

いつものように、上履きを探す。

「おかしいな…」

いつもなら、大抵は外の側溝かごみ箱にあるんだけど、今日は、何故か見つからない。

ここの教師は、上履き履いていないと、事情を知った上で怒鳴りつけてくるから、やめて欲しい。

生徒指導という名目で触られそうになった時は流石に逃げたが、同じ手はもう使えない。

気がつくと、目の前には、いつもの''彼奴ら''がいる

＿お前、最近調子乗ってんでしょ～?

＿ほら！いつもみたいに、這い蹲って靴でも舐めなさいよ！

＿アンタはずっとそうやって汚ねぇ駄犬のままでいればいいんだよ!!

''やめろ''。

そう言おうとしたけど、何故か声が出ない。

＿犬は犬らしく這い蹲れよ！

足が腹部に、激しい口撃とともにぶつかり、思わずしゃがみ込む。

あとは、されるがまま。

かがみこんでいる背中に、何度も何度も蹴りを入れられた。

はぁ…いつになったら終わるのだろう。

だんだん背中が痛くなってくるのに耐えていると、突然蹴りが止む。

顎を持ち上げられ、その爪先をそのまま口にぐりぐりと押し付けられる。

いや、だ

それだけは、もう、絶対に…

手前らなんかに、服従なんて…!!

不意に暖かい気配を感じて、必死にそれを辿る。

浮き上がっていくような感覚に身を任せると、

そこは、ボロボロの、山の上の校舎だった

｢おやAさん、おはようございます

魘されていましたが、大丈夫ですか？｣

…あぁ、ぼく､寝てたのか。

机に突っ伏していたせいで、背中が痛い。

また、あの頃の夢。

…

｢…Aさん、何かあったら、また何時でも話してください。

力になれるか分かりませんが、話すことで気持ちが楽になることもありますから。｣

…まあ、そりゃそうなるよな。

でも…

「…''いつか''、話してもいいですか」

今はまだ。

信じきれないから。

｢…わかりました。何時でも、来てくださいね

ここに質問の紙を置いておくので、時間がある時にでも答えを書いておいてください。｣

ぼくが頷くのを確認した殺せんせーは、そっと部屋から出ていった。

いなくなったのを確認すると、軽く息を吐く。

＿信じる者はすくわれる、足元を。

だから、絶対に口に出す気は無い。

少しだけ、ほっとした、なんて。