■ . …かもしれない ページ23
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side . 小瀧 望
藤井「 望ってさ、雛乃さんのこと好きなん? 」
流星に言われたその言葉が、何度も頭の中でリピートされる。
さっきは咄嗟に誤魔化したけど、果たしてそれが意味を成したんかはわからへん。
小瀧「 …ホンマに好き、なんかな 」
「 あれ、わかってへんかったん? 」
小瀧「 …っ神ちゃん 」
神山「 俺、てっきり自覚してるモンやと思うてたわ 」
ビルの屋上で風に吹かれてれば、後ろから声をかけてきたのは神ちゃんで。
てっきり、って、神ちゃんやっぱり…
小瀧「 …俺が雛乃さんのこと気になってるん、気付いてたん? 」
神山「 なんとなくそうなんちゃうかなーって思うてただけやけどな、笑 」
小瀧「 …神ちゃんがそう思うってことは、そうなんやろな、 」
神山「 …??のんちゃん…? 」
小瀧「 …俺、最低や 」
なんでかはわからへんけど、神ちゃんが相手やったら自然と言葉が出てくる。
ぽつりぽつりと話し出す俺の話を、神ちゃんは頷きながら聞いてくれた。
小瀧「 …アイドルやのに、…ジャニーズやのに 」
神山「 … 」
小瀧「 …共演もしたことない女優さんのこと、好きになってまいそうで怖いねん 」
神山「 …のんちゃん 」
小瀧「 …俺さ、1回、雛乃さんのこと助けたことあるって話したやん? 」
神山「 …うん 」
小瀧「 あんとき、雛乃さんが心の底から笑って、お礼言うてくれてん 」
神山「 … 」
小瀧「 そしたら、…俺、思ってもうてんな 」
神山「 …なにを? 」
小瀧「 _…笑顔、かわいいなって、…守りたいなって 」
今の俺に出来る精一杯の笑顔でそう言えば、一気に眉毛を下げてハッとしたような顔になった神ちゃん。
…そんな顔、せんといてや
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作者名:こちゅん | 作成日時:2022年6月22日 16時