. ページ28
.
緑「 んんっ、やあやぁ…っ 」
『 とも、しんどいなあ…、まだ寝られへんかなあ…、 』
あれから少しすると、仕事でおらんかった淳太が早退きして帰ってきてくれたから、今は大毅を淳太に任せてうちはともの看病中。
淳太のこと大好きな大毅は、それだけで元気を取り戻したみたいやわ。
そしてその間に照史は家の家事をやってくれとる。ほんま感謝せなアカンな。
緑「 ぐす、っ 」
『 とも、だっこしとくのと寝転がっとくの、どっちが楽? 』
緑「 っ、だっこ、 」
『 ん、だっこな、ほな持ち上げるで 』
よいしょ、と、ともを持ち上げて、片手で支えながらもう片方の手でともの背中をさする。
照史曰く、病院で点滴してもらったりしたらしいから、少しずつ楽になっていくはずやねんけどなあ…
緑「 っAちゃあ…っ、 」
『 どないした?とも、しんどい? 』
緑「 っ、うんっ、 」
『 せやなあしんどいなあ…、でも、さっきゼリー食べれたやろ?せやから少しは良くなってるはずやねん、もう少しの辛抱やで 』
緑「 うう〜っ、 」
しんどくて泣き出してもうたともの涙をそっと拭って、またともの背中をさする。
お医者さんとか看護師さんみたいに医療に詳しいわけちゃうから、もうこれ以上うちにできることはほとんどない。
せやから、ともがやって欲しいって言うたことは全部やるつもり。そう思って、ともの背中とんとんしてたんやけど。
この部屋の扉がノックされたかと思えば、すぐに聞こえた淳太の声。
黄「 なあ、Aー? 」
『 ん?なにー? 』
黄「 大毅がさ、ともに会いたい言うてんねんけど…ちょっとだけ会わしたらアカン? 」
『 え、今? 』
黄「 おん、今 」
『 今…とも、大丈夫? 』
緑「 っ、とも、だいきにあいたい、 」
『 …!そっか、ほな、ちょっとだけやで? 』
大毅に移したらアカンし、ちょっとだけって約束で二人を会わせることに。
ともも、大好きな大毅と話したら気分も良くなるかもせえへんしな。
.
345人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こちゅん | 作成日時:2022年6月11日 19時