□ . 004 ページ5
.
side . No
ーーーそして、それから数分後。
「 …この会社で、知財を担当している方は？ 」
「 法務部の私が兼任しております 」
「 ……失礼ながら、月夜野は知財に関する意識が甘すぎるように思います 」
『 ちょ、北脇さん… 』
さすがに言い過ぎだと北脇を静止しようとする澤村だが、そんな彼女の横で松尾が「 チザイってなんなんだ…？ 」とぼそり。
すると今度は、待ってましたと言わんばかりに目をキラキラさせて知財についての説明を喋りだす澤村。
『 あ、知財っていうのはですね！
例えば…あ、この月夜野の看板商品である緑のお茶屋さんですが、この1本の中にどれだけの権利が含まれているかご存知ですか？ 』
「 権利？ 」
『 はい！一例としては、商品名などの商標、お茶の焙煎方法や抽出技術などの特許、パッケージデザインの意匠などがあげられます。
そして、こういった価値のあるアイデアや創作物を総称して、�狠療�財産�瓩噺討咾泙� 』
「 イショウ… 」
『 あ、意匠っていうのは…ーー 』
「 ーーーもう大丈夫です澤村さん。丁寧にご説明ありがとうございました 」
『 …え、北脇さん…？ 』
「 今澤村さんが丁寧に説明して下さいましたが。
皆さんはその重みが、あまりお分かりになられていないようですね 」
丁寧に澤村が松尾に説明しようとしているのを遮って北脇がそう言うと、図星なのかなんなのか、各々顔を伏せたり目を逸らしたりする、熊井、松尾、五木の三人。
ーーーしかし、さすがは彼女というべきか、明らかに空気が変わったのをいち早く察知した澤村が、慌てて話題を変えて今回の件について持ちかける。
『 あ、そ、そろそろ本題に行きましょうか！ね！
問題のキラキラボトルについて教えて頂いても宜しいですか？ 』
「 あ、それなら、開発を担当していた藤崎よりご説明を…！ 」
「 …！あっ、はい！どうぞ…！キラキラボトルの概要を纏めたものです！ 」
『 わ、すごい、ありがとうございます〜 』
にこやかに藤崎から資料を受け取った澤村に対し、小さく「 …紙 」と零した北脇。
「 …後ほどデータで送ってください 」という北脇に、「 …はいっ 」と返事をした亜希を見て、またもや澤村は苦笑いを零したのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こちゅん | 作成日時：2023年6月19日 21時
