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「 ーーー北脇さん澤村さん、お世話になります、法務部の熊井です 」
「 …北脇です 」
『 あ、ご丁寧にどうも〜、弁理士の澤村です〜！ 』
熊井が自己紹介をすると、それに続けて北脇と澤村も名乗り、さらに続けて営業部の松尾と総務部の五木も2人に名を名乗る。
北脇はともかく、全員に笑顔で接する澤村に、少なからずこの場にいる者は好感を抱いているはずである。
『 えっと、お出迎えしてくれた貴方は？ 』
「 あっ、藤崎亜季です！！よろしくお願いします！！ 」
『 藤崎さんね、了解です 』
「 澤村さん、北脇さん、こちらにスペースをご用意しましたので、調査の作業などはこちらを自由にお使い…ーー 」
「 ーーーここを使わせてもらいます 」
「 …えっ？ 」
『 あっ、ちょ、バカ…！ 』
綺麗に整頓された机を五木が指さしたものの、その横をすり抜けて物が散乱している机で作業をすると言い始めた北脇。
そんな彼に澤村は頭を抱えてため息をついた後、五木たちに謝罪の一言を述べている。
ーーーそんな中北脇はというと、パソコンを使うための電源の場所やWiFiについてなど流れるように質問を投げかけ、それに松尾が答えている始末。
北脇のこんな性格には、澤村も困らされてばかりである。
「 ーーー皆さん初めまして。上毛高分子化学工業から来ました、弁理士の北脇です 」
『 同じく弁理士の澤村です、よろしくお願いしますね 』
そう改めて全員に向け自己紹介をした北脇と澤村に一礼する社員たち。
すると、礼をし終えた松尾が、こっそり熊井に弁理士とは何かと問うており。
そんな松尾に、知的財産権の専門家だと隠す素振りもなく説明する熊井。
それを聞いて、やっと弁理士が便利屋ではないと知った亜季は気まずそうに顔を逸らしたが、それも虚しく北脇に「 雑用が得意な訳ではありませんので 」と言われてしまったのであった。
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作者名：こちゅん | 作成日時：2023年6月19日 21時
