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ーーーそして、それから数日後。
いつものように月夜野へと出社してきた亜季の元へ、一本の電話がかかってきた。
「 …あ、熊井部長。おはようございます 」
《 調査で来る北脇さん！予定より早くいらっしゃるので、迎えに行って貰えますか？ 》
「 …！わかりました！ 」
《 相当優秀な方だそうですよ〜
何せ、弁理士の資格をお持ちですからね 》
「 ベンリシ… 」
《 あ、そうそう。そういえば急遽決まったらしいのですが、もう一人同じく弁理士の澤村Aさんという方もお越しになられるそうです 》
「 澤村Aさん、了解です。
それにしても、2人も便利屋さんが来るなんて…あっ、雑用でも何でも得意な方ってことですかね？ 」
《 あっいや、弁理士っていうのは… 》
「 まだいらしてないみたいですね、澤村Aさんと、北脇
電話の向こうにいる熊井にそう告げ、亜季がふと後ろを振り返った時だった。
亜季の真後ろに立っていた2人の男女と順番に目が合い、何故かその内の男性には思いっきり睨まれ、女性はそんな男性を見て必死に笑いを堪えている。
パチパチと何度か瞬きをした亜季は、ふと、この間Fuwa Flowerで出会した2人の男女を思い出す。
「 ……北脇です。
ーーー北脇、
「 マサ…ヨシ…… 」
『 …んっふ、 』
「 ……澤村さん。貴方今笑いましたね 」
『 なっ、そんな訳ないですよ！北脇さんの勘違いじゃないですかね！！ 』
「 ……行きましょう 」
『 …あーやっば、やらかした 』
そんな男女の会話に呆気に取られ、しばらく呆然としていたが、ハッと我に返って北脇と澤村を追いかける亜季。
そして熊井たちがいる部屋の手前でやっと声をかけることに成功する……が。
「 あっ、すいません、なんか驚いちゃいました…
あのカフェよく利用されるんですか？ 」
『 うーん、よくっていうか… 』
「 …澤村さん 」
『 はい黙ります 』
「 …？あんな所で偶然お会いするなんて… 」
「 ーーー偶然じゃありませんよ 」
「 え？ 」
そう告げた北脇は、よく分かっていない亜季を置いて澤村と共に熊井たちの方へ歩いていく。
ーーーそしてその瞬間、この空間にピリッと緊張が走った。
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作者名：こちゅん | 作成日時：2023年6月19日 21時
