【募集企画】義賊集団が居る町【小説】【Happyend】 (ページ2)

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ある少年の話【リアン】ページ2

祀虎様に貰った食料を持って家に向かう。家、と言ってもおれみたいな、スラムに住む技術もお金もない人が集まって頑張って建てた、粗末な仮小屋だけれど。……祀虎様の率いる義賊の手にかかっても、家まではさすがに無料らしい。無論、そんな所までやってもらおうなんて思ってないけど。

義賊の人たちは、スラムに住むみんなに食事をくれた。職がなくてお金がないみんなにお金をくれた。感謝するのは物をくれたことに対してだけじゃない。このスラムに住む人たちの悪い心を入れ替えてくれた。毎晩盗みをしていたおれの幼馴染も盗みをしなくなったし、以前よりも幾分か過ごしやすくなった。

世間から見捨てられたおれたちに手を差し伸べてくれる人がいる。それだけで嬉しい気持ちになるんだ。

その恩返しってわけじゃないけど、おれは大きくなったら義賊に入って、祀虎様たちの手伝いをしたい。前に義賊のアジトに行った時に教えてもらったことだけど、世界には困っている人がまだまだたくさんいるらしい。

だからおれは義賊になってーー

世界中の困っている人を救う、祀虎様みたいな、ヒーローに成るんだ。

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