彼氏と大喧嘩したのでとりあえず家を飛び出した話【 松田陣平 】

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『 そうやって聞いてくるってことは、なにかあったの？ 』



「 ああ、実はですね… 」




そう言って高木くんが口を開いたそのとき、勢いよく開かれた捜一の扉。



そしてその先には、見るからに不機嫌度MAXな松田と、泣きそうになっている千葉くんの姿が。





「 …まあ、あれを見ればわかると思うわよ 」



『 …、 』



「 ま、松田さん…っ、待ってくださいよ…っ！ 」



「 あ゛？嫌なら着いてくんじゃねえ 」



「 そんなの理不尽ですって…っ 」




松田が不機嫌な理由は嫌でもわかる。絶対に喧嘩が原因だろう。ごめん千葉くん



千葉くんへの謝罪と、松田への威嚇の気持ちを込めて二人の方を見ていれば、運悪く目が合ってしまった。…松田と。





「 ッテメエ…！！ 」



『 …ごめん班長。私パトロール行ってくる 』



「 あっ、永瀬！ 」



「 っ待ちやがれ！ 」





松田の横を素通りして外に出ようとするも、やはりそれは叶わず松田に手首を掴まれてしまう。



隣でビクビクしている千葉くんには悪いけど、こっちだって今は松田の顔を見たくない。特大の睨みを効かさせてもらう。





『 …なによ 』



「 テメエ、あんな真夜中に家飛び出してどこ行ってやがった 」



『 どこに行こうと私の勝手でしょ。松田には関係ない 』



「 …ンだと…？！ 」



『 手、離してよ。私外出たいの 』



「 どこ行ってたか話すまで離さねえ 」



『 なによそれ。迷惑なんだけど 』





バチバチと火花を散らす私と松田を見て、焦る千葉くんに高木くん、半ば呆れている美和子ちゃんと伊達班長。



ごめんね、みんな。今回ばかりは譲れないの。





「 …永瀬、テメエその服どうした 」



『 は？別にどうだっていいじゃん 』



「 良かねえよ。ウチにいねえってこたあ自分のじゃねえんだろ 」



『 だったらなに？ 』



「 テメエ… 」



「 ちょ、ちょっと松田さん、永瀬さん… 」





止めようとしてくれる千葉くんには本当にあとでお詫びしないといけないなと思いつつも、今の松田を相手に引く訳にはいかないので、申し訳ないが睨むことを辞めはしない。



だけど、いい加減見ていられなくなったのか、班長と美和子ちゃんがやって来て無理矢理私と松田を引き離す。



そしてそのまま、班長は松田とデスクの方に、美和子ちゃんは私と外へ出た。




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