■ . 21 ページ22
.
『 …で、なんの用?仕事あるし早く行きたいんだけど 』
「 … 」
私の腕を掴んだまま何も言わない松田にそう問いかけると、松田は何かを言おうと口を開くものの、すぐに辞めて閉じてしまう。
…っもう、なんなのよ
『 用がないなら「 …A 」…だからなに? 』
「 ──家、帰ってこいよ 」
『 …!…やだ 』
「 !!ンでだよ…! 」
『 理由なんてどうでもいいでしょ。今は松田と一緒にいたくないだけ。…じゃあ私行くから 』
そう言って私の腕を掴んでいる松田の手を振り払うと、足早に車へと行き運転席に座る。
しかし、松田は追いかけてきてないかな…と確認しようとした瞬間、おもむろに開けられた助手席の扉。
『 …は、ちょ、なんで、 』
「 俺もこれから警視庁行くから。乗せてってくれよ 」
『 だからなんで…?!アンタは自分の車があるでしょ…?! 』
「 探偵事務所までタクシーで来たから車ねえんだよ。警視庁に置きっぱなしにしてる 」
『 はあ…?!なんで車で来なかったのよ?! 』
「 気分。…つーか俺、今家帰ってねえし 」
『 …は?! 』
…っとにコイツは何度私を驚かせたら気が済むんだろう。
車使ってないわ家には帰ってないわ、どういう意図でそんなことしてるのか私には全く検討もつかない。
…急に家に帰ってこいとか、自分も帰ってないくせに何言ってんのよ
『 …はあ、…今回だけだからね 』
「 ん、サンキュ 」
松田はこうなったら降りろって言っても絶対に聞かないだろうから、仕方なく松田を乗せたまま警視庁まで車を運転する。
──しかしその間、松田は一本もタバコを吸わなかった。
昔からそうだけど、コイツは私の車に乗る時、絶対にタバコを吸わない。きっと松田なりに気を遣ってくれているのだろう。
…喧嘩中でも気にしてくれてたことに、少し、ほんとに少しだけ胸が高鳴ったのは、私だけの秘密。
「 …助かったわ、サンキュ 」
『 …別に。アンタが勝手に乗ってきたんでしょ 』
「 …まあそうだけどよ 」
『 ……私、しばらく帰る気ないからね 』
「 は?…あ、ちょ、おい!! 」
松田に向けてそう言い残すと、松田を置いて警視庁内へ駆け込んだ私。
…美和子ちゃんや班長たちに松田と一緒に来たって知られたら、たまったもんじゃないからね
.
1477人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まみこ(プロフ) - 番外編待ってますー!!新婚生活を見たい(((((((( (2023年2月5日 22時) (レス) @page35 id: cb2bf785ca (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - 番外編待ってます!!お互いが好きになったきっかけとか見たいです〜! (2023年2月5日 21時) (レス) @page35 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
アズマ(プロフ) - 番外編作って欲しいです!子どもができた話とか、新婚生活の話とか (2023年2月5日 18時) (レス) @page35 id: 69fe452800 (このIDを非表示/違反報告)
アオちゃん(プロフ) - こんばんは!!完結おめでとうございます!!すごく面白かったです!これからも頑張ってください!!!応援してます💪🔥 (2023年1月29日 23時) (レス) @page34 id: a5ab7eb0d5 (このIDを非表示/違反報告)
樹菜(プロフ) - 完結おめでとうございます!!とても面白かったです!また楽しみにしてますね!! (2023年1月28日 18時) (レス) @page34 id: d9d95eb8b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こーさん | 作成日時:2022年11月23日 11時