彼氏と大喧嘩したのでとりあえず家を飛び出した話【 松田陣平 】

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side . 黒羽 快斗




『 ──快斗！！！起きろ！！！！ 』



「 んぶっ！！！ 」




キッドとしての仕事を終わらせ、Aさんが泊まりに来た次の日。



昨日は逃げる直前に名探偵に捕まって余計疲れてたから爆睡してたっつーのに、突然腹に強い衝撃が走って飛び起きる。



何事かと思えば、目の前にはAさんがいて、学校があるくせに俺が中々起きてこねえから起こしに来てくれたであろうことを察する。…それとなんだ？すげえいい匂いする…




「 Aさん…、朝から腹パンはきついって…、 」



『 腹パンって言うほどのモンじゃないでしょ。それに、いつまでも快斗が起きてこないからいけないの！それともなに？もう一発入れて欲しい？ 』



「 遠慮しときます… 」





現役警察官のパンチは結構クるからな…と思いつつ、腹を擦りながらいい匂いがする元まで行くと、昨日と同様に机の上には美味そうなご飯が並べられていて。



まじでAさんの飯は美味いからな。Aさんが料理してくれたやつなら魚だって食えちまうかも。………ま、食ったことはねえけど。




「 うわ…っ！美味そう…っ！ 」



『 ふふん、腕によりをかけて作ったからね。ほら、冷めないうちに食べな！ 』



「 いっただっきまーす！ 」




勢いよくかき込むけど、やっぱり美味い。昨日の飯も美味かったからなー



…なんて感動していると、ふいに鳴ったAさんの携帯。どうやらメールが来たらしい…けど、内容を確認した瞬間歪むAさんの表情。




「 ？？誰から？ 」



『 …同期から 』



「 なんて来たんだ？ 」



『 …今日、あの童顔天パとペア組んで事情聴取しろって 』



「 童顔天パって……あ、Aさんの彼氏か！ 」



『 …そ。 』




さっきまでの気迫はどこへやら。ものすげえ嫌そうな顔して項垂れるAさん。



メール送ってきた同期って人も、Aさんと彼氏さんが喧嘩してんのは知ってるはずだよな。みんな同じ捜査一課らしいし。



それを知った上で一緒に行動させるってことは、きっとAさんたちを仲直りさせようとしてんだろう。……ちょっと待て、そこまでするほど二人の喧嘩ってやべえのか？




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