怪 盗 さ ん と の 恋 物 語【 紺青の拳 】

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side . 江戸川コナン



「 本物のレイチェルさんはもう殺害されていて、台座の中に押し込まれていた…キッドがレイチェルさんに変装してやってくると読んで全てをキッドの仕業に見せかけるためにね 」

「 そんなことがどうして… 」

「 じゃあ、リシさんだったら誰に変装すれば安全だと思う？ 」

「 え？そうだなあ…いくら上手に変装しても、本物と出会したら意味ないし… 」

「 何時にどこにいるかわかってる人がいいよね？ 」

「 そうか！レイチェルさんは午後3時に毛利さんと待ち合わせしていた！ 」

「 そう、キッドは金庫室に来る恐れのない人物に変装する…そう読んだレオンの罠にハマったってわけだよ！ 」




俺がそう言いながらキッドを睨めば、小さく舌打ちをしたキッド。



「 教えてくれ！先生は何をしようとしているんだ？！ 」

「 全てはバカげた計画のためだよ

レオンはユージーン・リムという海賊の首領と接触し、レイチェルの殺害現場の台座に残されていた文字は “ she ” …

そして、そのレイチェルが毛利探偵に密かに託したのは中富海運のメダル。 」

「 …それになんの関係が？ 」

「 リシさん、これはお兄さんが東京から送ってもらった、この周辺にいる中富の船の航路解析だよ！

タンカーが1隻、予定の航路を大きく外れてる。このまま進めば行き先はマリーナベイ。

レオンさんは海賊を使って、タンカーを街に突っ込ませるつもりなんだ！ 」

「 …なぜ先生がそんなことをする必要があるんだ？！ 」

「 …レオンさんがなんて言うかは知らないけど、この街を破壊して作り直すとしたら莫大なお金が動くことだけは確か 。

紺青の拳にこだわったのは、海賊を思い通りに操る引き換えとして必要だったから… 」

「 早くしないと手遅れになる！ 」

「 そう言われても、僕の一存では…警察を動かすにも、もっと証拠が必要だ 」

「 他に方法はないの？！ 」

「 そうだ、ジョンハン・チェン氏に相談しよう！きっと力を貸してくれるはずだ！ 」

「 ──リシさん！もう1つだけ！

計画通りにタンカーが街に突っ込んで来たら、その時レオンさんはどこにいると思う？ 」

「 そうだな…先生は慎重だから、どこか遠くで見物するだろうね！……じゃあ急ぐから！ 」

「 …わかった！ありがとう！ 」




リシさんからその答えを聞いた瞬間、俺の疑いは確信へと変わった。




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