怪 盗 さ ん と の 恋 物 語【 紺青の拳 】

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「 全ては罠だ。お前に罪をかぶせる為のな… 」

「 …まるでマジックだな。オレはそこに存在しねえのに、観客にはまさにオレが殺人犯としてその場にいたかのように見えてる 」

「 つまり、視点を入れ替えればタネが見えてくるって寸法か… 」

『 …よし、できた！！ 』

「 ん、さんきゅ 」




快斗の怪我の処置を終えると、快斗はすばやく立ち上がり、怪盗キッドの衣装へと姿を変えた。

…うーん、やっぱりカッコいい。




「 握った拳の中に、まるで何かがあるかのように思わせるのがマジシャンで…その拳を開く前に言い当てるのが探偵だろ？

──中身を言い当ててくれよ名探偵？殺人という名の、謎めいた拳の中身をな… 」

「 ったく… 」

「 ……それとA 」

『 ん？ 』

「 返事、待ってるぜ 」

『 ……へ 』




そう言って飛び立ってしまった快斗。


…そりゃあ私だって、「返事」と聞いて何のことかわからないほどバカじゃない。


どんどん顔に熱が集まるのが自分でもわかる。




「 ……返事？ 」

『 し、新一は気にしなくていいから！！ 』

「 ンなこと言われたら余計気になるだろ。

…もしかしてオメー、キッドと何かあったのか？ 」

『 ッなんにもないよ？！ 』




キッド、という単語に反応してしまうのもまた事実で。


……絶対に新一だけにはばれちゃいけない。




「 まあ、何があったのかは知らねえけど、アイツには気をつけろよ 」

『 わかってるよ…犯罪者だから〜とかなんとか言うんでしょ？

耳にイカができるほど聞いたって… 』

「 イカじゃなくてタコな 」

『 ……え？！ 』




……なにも聞かなかったことにしてほしい。


…でもまあ今日は新一、リシさんのところに泊まりに行くらしいし、これ以上詮索されなさそうでよかった。

……明日が怖いけど！！！




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