怪 盗 さ ん と の 恋 物 語

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『 まず重要なのは、盗まれた事がニュースになり世間に知られる事…そして、あらかじめその品の模造品を大量に作っておき、

第三者の手によって龍馬ファンの金持ちへ売りさばく。これは先日盗まれた品だと言ってね 』

「 な、なるほど… 」

『 この手口の利点は、買った人が後で偽物を掴まされたと気付いても事件にならないこと。

訴えようと思っても、盗品をこっそり買ってしまったという負い目があるから訴えるに訴えられない 』

「 …そうか！だからあの3つの品を盗んだ後のファントム・レディーの犯行は明るみにならなかったんだ！

その3つの品を買わされた人ばかりを狙ってただろうから！ 」




そう声をあげる中森警部。


……そこまで気付いたら最後まで気付いてほしいんだけど。




『 そう。……ですよね？龍馬展主催者の樽見猪彦さんと、鑑定家の華村政之助さん？ 』

「 …！！ 」

「 な、なにを言っているんだ！！デタラメだそんなの！！ 」

「 そ、そうですよ！！
第一、どこにあるんですか！その大量の模造品は！

あるのはこの軽いプラスチック製のピストルと、まがい物の盃と手紙の3品だけで… 」

『 いーえ違います。青子パパとその他の刑事さん、ご自身の腰を見てみてください…とある物が見つかるはずですから 』

「 け、警部！！いつの間にか腰にガンベルトとピストルが！！ 」

「 わ、私の腰にも… 」

「 キッドめ…あの人混みを利用してワシらの腰に巻きやがったな！！ 」

『 先ほど見えてしまったんですよ。みなさんの腰にガンベルトが巻いてあるのが… 』

「 なるほど…あらかじめ防犯装置を壊しておいて盗まれたと見せかけ、今度はガンベルトを売りさばく算段だったというわけか… 」

「 あ、いや… 」




……よし、ここまでくれば、あと少し。




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