怪盗さんとの恋物語 (ページ37)

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「よーし！！！奴は金属探知ゲートを通って丸腰だ！！確保しろ！！」

「はい！！」

青子パパがそう言った瞬間、展示室の中にいた青子パパの部下さんたちが一気にキッドに向かって進みだした……ものの。

多くの人に押されて、中々近付くことができない。

「何が洗濯じゃ！汝の方こそ、引っ捕らえて骨の髄まで洗濯してくれるわ！！」

「そう…洗濯するには水がいる…

これよりこの空間に、雨を降らせて御覧に入れましょう」

「あ、雨だと？！」

そう言ったキッドは、マッチを数本取り出して火をつけ、スプリンクラーに向けて炎を放った。

すると途端にスプリンクラーから溢れ出す大量の水。

「野郎…炎で消火用のスプリンクラーを作動させやがった！！」

「では、私はこれで… 」

「おい、待て！例の3つの品を返すんじゃなかったのか？」

「それは、このシャワーが全て明らかにしてくれますよ

雨が泥水を洗い流してくれるように… 」

キッドがそう言ったのを最後に水煙でキッドの姿は見えなくなり、少しするとスプリンクラーの水も止まった。

そして視界があけると、キッドの姿は展示室の中から消えていた。

青子パパはそれを確認するや否や、電話で金属探知ゲートの近くにいる部下の人に大きな声で司令を出す。

「き…消えた？！……キッドめ、客に紛れて逃げる気だな？！

…おい！たった今ゲートの所から出た客は？！」

〈に、2〜3人いましたけど… 〉

「ズブ濡れの奴を追いかけて確保しろ！！そいつがキッドだ！！

あのシャワーの中で変装して着替えたんなら、確実に濡れてるはずだからな！！」

〈あ…でも、外も土砂降りなのでほとんどの客の服が濡れてますけど… 〉

「じゃあ足跡だ！！ゲートから出た濡れた足跡を追え！！」

〈で、ですが…当然の如く、床も濡れた足跡だらけで… 〉

「な、なんだとォ？！」

「なるほど…じゃから彼奴は雨の日を待っておったというわけか… 」

そう怒鳴る青子パパと冷静に言葉を放つ次郎吉さん。

…ホント、快斗もよくこんなの思い付くよね。

……私じゃ絶対思いつかないよ。

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