怪盗さんとの恋物語 (ページ36)

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「 ───あれ？園子、右腕のトコなんかついてるよ？」

「え？…ウソ、、」

『字が書いてあるように見えるけど… 』

「 ……てつの一つ…？」

「鉄の一つって… 」

『何かの暗号？』

…まあ、ある程度はわかってるんだけど、
新一に疑われたりしないように知らないふりで突き通す。

……さすがにホントのことは蘭や園子でも言えないし。

「 …ねえ！展示場の中で何かにぶつからなかった？」

「ええ…押されてガンベルトの展示ケースに… 」

園子がそう説明すると、ハッとなった新一。

…………これは気付いたか。

「 ……キッド様の予告時間まであと4分、、そろそろ中入っとく？」

「でも、人が多すぎてキッドが現れても見えないかもよ？」

『私は遠慮しとこうかな…

……って、あそこにいるの…青子パパ？』

「あ、ほんとだ！中森警部！」

《現在入場制限をしております！
只今からの入場は出来ませんので御了承ください！》

「次郎吉おじ様も… 」

「ほら、わたしたちも入ろうよ！」

『うーん、でも… 』

快斗にも入ってくるなって言われてるし、入りたくないんだけどな…、なんて、躊躇していた時だった。

展示室の人混みの中から、コナンくんが出てきたのは。

「やめた方がいいと思うよ！」

「コ、コナンくん？！」

「どうして入んない方がいいのよ？」

「だって、濡れるの嫌でしょ？

キッドはホントにここで洗濯する気みたいだからさ！」

やっぱり新一はわかってたみたい。

と、次の瞬間。

どこからともなく白いシルクハットがクルクルとガンベルトのケースに向かって飛んできたかと思えば、いつからいたのか、ポサッとキッドの頭の上に落ちた。

「か…怪盗キッド！！」

「ガ、ガンベルトのケースの上に立ってる… 」

「キッド様ステキ！！♡ 」

青子パパが、キッド！！と叫んだ途端に、騒がしく歓声があがりだす展示場内。

……今はキッドってわかってても、ちょっと妬いちゃうな、なんて。

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