怪盗さんとの恋物語 (ページ2)

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怪盗1412号ページ2

No side

「怪盗1412号？」

雨の降る渋谷の横断歩道で女子高校生の
毛利蘭、鈴木園子が肩を並べて歩く。

「そう！今、若い娘が結構はまってる
おじさんの泥棒よ！探偵の娘なのに知らないの？」

「あのねぇ…だからって事件好きなわけじゃないわよ！」

話題は現在若い娘に人気の怪盗1412号について。
園子の問いかけに蘭は少し呆れつつも返事をする。

「それで？その怪盗さんを、ウチのお父さんに捕まえてほしいってわけね… 」

「そうよ！今、米花博物館で世界の名のある宝石を集めて
展覧会やってんの知ってるでしょ？

そこにパパが出品してる我が家の家宝を怪盗1412号の魔の手から守ってほしいのよ！幸運を呼ぶ真珠 “ 漆黒の星(ブラックスター) ” を！！」

漆黒の星とは世界最大の黒真珠のことである。

「でもウチのお父さんが出しゃばんなくても、警察の人に任せておけば… 」

「警察に捕まっちゃったら、そのまま連れて行かれちゃうじゃない！蘭のお父さんが捕まえたら、直接彼の顔を拝ませてくれるかもしれないでしょ？」

「顔…？」

なんのことかサッパリな蘭に園子はこう続ける。

「だって1412号は、世界中を騒がしてる大怪盗よ！！どんな顔してるか気にならない？きっとステキなおじ様よ！」

「そうかねぇ… 」

苦笑を零す蘭だったが、横をすれ違った
男女の顔を見てハッとする。

隣で怪盗1412号に似ているかもしれない有名な俳優の名を上げている園子には目もくれずそちらを振り返り名前を叫ぶ。

「 ──っ新一！！、A！！、」

「ちょっと！！赤信号よ！！」

「でも今そこに新一とAが！！、」

「え？」

「新一！！、A！！─── 」

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