怪盗さんとの恋物語 (ページ34)

今日:1,318 hit、昨日:1,509 hit、合計:365,826 hit

. ページ34

.

快斗と別れた直後、焦ってトイレから出てきた新一。

「っA！！今トイレから怪しいやつ出てこなかったか？！」

『怪しいやつ？』

「ああ！多分そいつがキッドだ！トイレの中で会ったんだよ！」

……いや何してんの快斗。誤魔化さなきゃいけないの私なんですけど。

『ああ、全身真っ黒の人ならさっき出てきたよ』

「くそ！！どっちに行った？！」

『展示室の方』

「 …っそれじゃあもう人混みに紛れちまってるか… 」

そう言って肩を落とす新一だけど、新一はすぐ切り替えて私の方を向く。

「 …しゃあねえか。A、とりあえず蘭たちのとこ戻るぞ」

『はーい』

そしてそのままスマホを触りながら展示室の方へ歩いて行く新一。

……がしかし、

「 …………そういやオメーさ」

『うん』

「好きなヤツ、いんのか？」

『 …………は？』

どうしてそうなった。

『え、なんで？』

「いや、この前蘭と電話してただろ？

名前はさすがに聞き取れなかったけど、片想い中のやつがどうとか…って」

……やっぱり聞こえてたか。

…ま、名前知られなかっただけよかったかも。

……でもここで肯定しちゃったら、きっと過保護発動しちゃうよね。

『 ……いないけど』

「ホントか？」

『 …ホントだってば』

「 …いーや嘘だな。Aの嘘つく時の癖が出てる」

『え？！ウソ？！』

「ウソだよ。やっぱり嘘ついてたんじゃねーか」

『 …あ』

…………やらかした。

.