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《 灰谷 side 》













灰谷「あの塾だったんだね」


「何が?」


灰谷「黒木先生がルトワックを辞めた理由」











俺がそう言うと、
Aは少しだけ顔を顰めた。












灰谷「当時黒木先生が、
別で個人塾をやってることを知ったルトワックの社長が、

個人塾を閉めるか、ルトワックを辞めるかの選択を迫ったんだって。

彼はあの塾、STAR FISHを続ける事を選んで、
ルトワックの契約を切られた…

当時社長は黒木先生の塾が無料塾だったなんて、
知る由もなかったと思うけど。

ただ、ルトワックの看板講師である以上、副業は妙な噂の元になる。

俺は…黒木先生がルトワックを辞めた本当の理由を知りたくて、
ずっと迫ってた。

それがあの塾だった…」












俺が何を言っても、
Aは黙ったままだった。












灰谷「…Aがルトワックを辞めたのも、あの塾が理由?」












そう尋ねると、
Aはやっと口を開いた。













「…ううん、わたしがあの塾を知ったのは、桜花に来てからだよ」


灰谷「そっか、じゃあまだ謎が残ってるわけだ」











そう言うと、
Aは少しだけ笑った。













「わたしがルトワックを辞めて桜花を選んだことに、理由なんてないよ。
それに、わたしは好きだよ。STAR FISHにいる黒木先生」


灰谷「…やっぱり俺にはわからない」












一瞬沈黙が流れると、
さっき気になったことを思い出した。












灰谷「あ、そういえばあの参考書、まだ持ってたんだ」


「参考書?…あぁ、うん。

他の参考書は後輩にあげちゃったんだけど、
あれだけは、なんか持ってた」


灰谷「俺があげたやつだからじゃないの?」













少しだけ意地悪して、
Aの顔を覗きこむと、

Aは一瞬だけ驚いた顔をした。












「…ばーか」


灰谷「あ、ここでいいよ、ありがとう」













軽くAのおでこにちゅ、とキスを落とした。













灰谷「おやすみ」


「…うん、おやすみ」















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理音(プロフ) - ドキドキが止まりません(((;゚Д゚)))ドキドキ展開がもう好きすぎます!!これからも応援してます!! (2022年1月15日 1時) (レス) @page30 id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - 寧那さん» うわぁ、嬉しい…ありがとうございます…!! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 9cb04252fe (このIDを非表示/違反報告)
紅茶(プロフ) - どんぐりさん» ありがとうございます〜! (2021年12月12日 21時) (レス) id: 9cb04252fe (このIDを非表示/違反報告)
寧那 - 何故、投票が1回しか出来ないんでしょう…!!でも、読むたんびに1番右側の星を押させてもらってます!!応援してます!! (2021年12月12日 15時) (レス) @page30 id: 8653afb737 (このIDを非表示/違反報告)
どんぐり(プロフ) - 初めまして。とても面白くて何回も読み返してます!頑張ってくださいヾ(・ε・`*) (2021年12月10日 11時) (レス) @page23 id: 8a839eaa9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅茶 | 作成日時:2021年12月5日 23時

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