こっち向いて。【Ryosuke.Yamada】

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慧『デートOKしたんだ、』







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しわしわな白衣も、その容姿でカバーできる伊野尾先生。







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『デートってほどのことでもないですから』







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慧『え？だって２人きりでしょ？』







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『そうですけど…、』







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まだ自分の気持ち、わからないし。







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『…伊野尾先生授業は？』

　





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慧『話反らされた〜』







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『ここは、教師が休憩するところじゃないですよ？』







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慧『でもさ、A先生って思わせぶりなとこあるよね』







『そんなこと、！』







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この人といると、ペースを乱される。







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慧『山田はデートだ〜、って喜んでると思うよ？』






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寝癖なのかセットなのか、後ろ髪がピョンとはねている。







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『デートじゃ……ないです、』







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「え……」







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不意に扉の方から聞こえた声。







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慧『わ、来たよ…』







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涼介『デートじゃないんすか！』







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赤色のユニホームを着てずかずかと入ってくる山田さん。







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『えっ、ちょ……近いです』







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そのままどアップに、山田さんの顔が。







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涼介『顔……赤いですけど』







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ゆっくりと頬に寄る、山田さんの右手。







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『っ………、』







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慧『…だーめ。』







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涼介『えっ、なんで…！』







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その手は、伊野尾先生にあっという間に掴まれて、上にあげられた。







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