こっち向いて。【Ryosuke.Yamada】

７＿Ryosuke ページ7

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涼介『寒いっすね、……』







『わざわざ送ってくれなくても』







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一足早いイルミネーションがぼんやりと灯る、１２月。







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こうしてA先生を家まで送るのは、毎日の日課。







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白いダッフルコートに身を包む姿は、控えめに言ってもかわいすぎる。







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涼介『俺が送りたいから送ってるの！だから、気にしないでください』







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『……ありがとう、ございます…』







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涼介『それより、伊野尾先生に頭撫でられて喜ばないでくださいよ！』







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顔赤くしてたの、見てたもんね。







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『喜んでなんて、！』







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必死に否定するところ、伊野尾先生に見せたかったな〜……なんてね。







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涼介『そんなことばっかしてると焼きもちやくんですけど。』







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ふざけて言った、つもりだった。







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だけど、







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『ごめんなさい…』







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申し訳なさそうに言うA先生。







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涼介『え？いやっ、そんなつもりじゃなくて…』







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いつもならなんだかんだ言って俺のどうでもいい話にも付き合ってくれるのに、今日はなんだか違う。







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いつもより……素直。







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…そんなA先生もかわいい！







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涼介『Aせんせ？』







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グッと近づいて覗きこむと、







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俺よりも低い背丈で、俺の肩の近くにあるかわいい顔を下に向けてしまう。







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『………み、見ないでください…！』







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涼介『またそうやって意地悪して、』







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