こっち向いて。【Ryosuke.Yamada】

１８＿Kei ページ18

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そもそも佐藤ちゃんは、山田に告白なんてしていない。







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……したいけど、まだ勇気がでないんだって。







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そんな相談されても、俺にはこんなことしか出来なかったよ佐藤ちゃん…！







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涼介『俺なんて、ふられましたもん…』







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眉を八の字に曲げる山田は、ちょっと…かわいいかも？







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山田があまりにも一途すぎるから意地悪したくなったというか、







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A先生とはくっついてほしくないというか…







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ちょっとだけ魔が差して、ちょっとだけ嘘をついた。







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”山田さ、佐藤ちゃんにコクられたらしいよ”








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こんなこと言ったって何にも変わらないことも、







少しずつA先生の気持ちが揺れ始めていることも、







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全部全部気づいてたのに。







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ふざけ半分でついた嘘で、大分困らせてしまっている。







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涼介『もう俺、……立ち直れないです』







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泣きそうな山田。







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慧『……平気だよ』







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涼介『え？』







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慧『A先生は、お前のこと嫌いなわけじゃないよ』







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なんで俺がこんなこと言わなきゃいけないんだか。







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涼介『そんなこと言われたって…もうきっと話してくれない…！』







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このサッカー馬鹿、めんどくさい！







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慧『……頑張れよ、』







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どうしてこうも、お人好しにしかなれないんだろう。







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