文スト太宰治〜君とならば生きてみてもいい〜 (ページ21)

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第十九章ページ21

A視点

　太宰さんに連れられて”武装探偵社”へ行くことになった。

　あぁ、緊張する。

太宰さんは与謝野さん、乱歩さんも武装探偵社の社員だと言ったけどさ、他の方はどんな人たちなんだろ。

　マージーでー不安だし、緊張して胃が！胃が！張り裂けそうだよ！

太宰さん「ふふふ、緊張してるね？Aちゃん」

私の表情に気が付いたのか太宰さんがにっこりと微笑みかけてくれる。

　あぁ、私は何を心配してたんだ？太宰さんがいるし、太宰さんの同僚とかいい人に決まってる。

　大丈夫、大丈夫、何か事件とか起きてない限り大丈夫だから！

「きゃああああ！」

突然前方で叫び声がした。

前を見ると一人の背の高い男が手を振り回し、それを乱歩さんと与謝野さんが押さえつけていた。

　叫び声はそれに驚いた通行人のものらしかった。

太宰さん「乱歩さん！与謝野医師！どうしました？」

与謝野さん「太宰！いいところに来てくれたじゃないか...実は敵組織のメンバーを捕まえてねえ、組織内では”データベース”と呼ばれる男で、なんでも組織の弱点となる大切なデータから小さなことまで全てこいつの頭の中にしか保管してないらしい。」

　その男の人はメガネをかけ、厳しい顔つきをしていて、金の長髪...確かに頭良さそうかも。

太宰さん「なるほど...それでこれから情報を聞き出すってわけですね？」

与謝野さん「そうなんだよ...ただ、困ったことがあってねえ」

太宰さん「...とりあえず中に入りましょう、ここは騒がしい」