悶える彼氏と落ち込む彼女の攻防合戦【我妻善逸】

捌ノ型 可愛い後輩の涙 ページ8

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ある日、音柱の屋敷にて。







私たちが付き合ってそろそろ五ヶ月が経つ。

しかし、前も言った通り、私たちは逢引しか進んでいなく、手も繋いだことがなければ接吻もない。

しかもしかも、最近全然逢引もしてないし……。


これは恋仲としてどうなんだろう。

私としてはもっと善逸といたいのにな。





『ね、どう思います？』


宇髄「他人の色恋沙汰には派手に興味がねえなあ」


『宇髄さんん…そんなつれないこと言わないでくださいよ、可愛い後輩の悩みですよ？』


「自分で言うな、自分で」





嫁が三人もいる方はやはり恋愛上手であろうということで、恋愛相談はこの人にすることが多い。

何かと善逸とは仲良さげだしね。何かとね。…… 私よりもね。あっ、自分で言ってて寂しくなるな、これ。





「お前が心配するほど、派手に終わってるようには見えないけどなあ」


『そりゃ進み具合とかは人それぞれだし、私たちなりの速度でいいとは思ってますけど…、でも、』


「目合い(まぐわい)はまだしていないのか？」


『ま、まぐわ……っ？！し、してるわけないでしょう破廉恥な…！』
( ※目合い＝今で言う性行為のことです )


「…… 成程、善逸は頑張ってるんだな」


『せ、接吻もしたことない…し……』


「………… 派手に善逸が可哀想だな」


『… でも、善逸はきっともう私の事なんか好きじゃないので、興味ないんだと思います。

…… だって、まだ好きなら接吻したいって思うはずだけど、…その、善逸 全然しようとして来ないし』


「はあ、お前 派手に大切にされてんなあ」


『… 私としてはもっと善逸と距離縮めたいです』


「その言葉そっくりそのまま善逸に伝えればいいんじゃねえか」


『嫌です。面倒な女って思われたくないです。』


「はあ…。( 焦れってえなあ、この2人 )」


『…… 私ってそんなに魅力無いんですかね』





思い返すと、接吻だけではなく、あんなに女の子好きな善逸なのに、私は彼に求婚をされたことがない。

「結婚して」と泣き付かれたことがないのだ。

………… あれ、善逸の告白は気の迷いだったのかな。禰豆子ちゃんと上手くいかなくて、私がマシに見えたのかな。あれ。

何だか卑屈に考えてしまい、目の奥が熱くなる。







「っああ、地味に泣くなよお前。」


『だって〜〜…！』


「〜〜…ああもうっ、よしわかった！俺がお前を派手にいい女にしてやる！だから泣きやめ！」


『………… へ？』






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