悶える彼氏と落ち込む彼女の攻防合戦【我妻善逸】

陸ノ型 女子会 ページ6

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「んんっ、美味しいわあ〜！」

「甘露寺さん。そんなに急いで食べなくても桜餅は逃げていきませんよ」

『蜜璃さんは今日もいい食べっぷりですね』

「そうかな？まだそんなに食べてないけれど」




そういいつつ、もう何個目か分からない桜餅を口にする蜜璃と、優雅にお茶を嗜むしのぶ。

普通の隊士は基本的に柱には会わない。

単純な理由、柱は忙しいから。

しかし、最近何故か柱と会う機会が多く、いつの間にか仲良くなり、こうして会って甘味処に行くことが増えた。

そうして、女子3人が集まればやはり話題は___、




蜜「それでっ？最近善逸くんとはどうなの？」




恋バナ一択である。






『いやあ…何も変わりませんよ、相変わらず冷たいし、きっともう私の事好きじゃないんだと思います』


蜜「えっ？そんなことないわ！だって善逸くんは___ 「甘露寺さん」…はっ、ごめんなさい、なんでもないの！」


し「Aさんはまだ彼が好きなんでしょう？」


『はい、好きです。

…何か惚れ薬とかあればいいのになあ、なんて』




"好き" という言葉はなんだか照れくさくて、あまりにも現実的ではない話をしてしまった。

案の定、蜜璃さんはきょとんとした顔で、しのぶさんは何処か思い詰めたような顔をする。





『すみません、非現実な話して。

なにか違うこと___「なるほど」…へ？』




話題を変えようと必死に頭を回転させ始めたところでその言葉を破ったのは、しのぶさん。




し「研究してみます、惚れ薬」


『へっ？…いやいや、流石にそんなものなんて』


し「私には出来ない、と仰るのですか？

やってもいないのに決めつけないでください。」


『は、はい … 』




彼女の笑顔の圧に負けてしまい、素直に謝罪を述べる。

しかし、惚れ薬なんて何処の夢小説だ。大体、そんなものを使ってまで善逸の気持ちなんて___…



……………… ちょっとだけ、欲しい。

くそう。これが惚れた弱みか…！

好きな人からの好きは欲しいに決まっている。




闘魂を燃やしたしのぶさんの声をきっかけに、その場はお開きになった。




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「甘露寺さん、気をつけてください」

「し、しのぶちゃんだって惚れ薬なんかなくたって善逸くんは、」

「そんなこと分かっています」



Aは知らないが、恋柱は以前から善逸とよく恋話をしている仲で、善逸の好きすぎて素直になれない気持ちを知っていた為、口を滑りそうになっていたのは後日わかる話である。


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