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末っ子二人組 ページ31










「 おねーさん!みてみて! 」
「 やだ〜〜可愛いじゃないの〜〜〜〜 」
「 おれは?!おねーさんおれは?! 」
「 こーちゃんも破壊力抜群だぞ〜〜 」








 伊沢くんに強制連行されていった川上くんのお次は、七人の中でも末っ子ポジションと言っても良い山本くんとこーちゃんだった。
 山本くんの方は色んな色の布を縫い合わせたようなパーカーにズボン、こーちゃんの方は動きやすいテーラードジャケット風の服。

 前々からここの二人は仲が良いと思っていたけど、まさか出てくるのも同じタイミングなんてね。一緒に出よ〜とか相談してたのかしら。
 だとしたらおねーさん飛んで喜ぶよ。跳んでじゃない、飛んで。軽く大気圏までは行けるかな。









「 おねーさん、おててだいじょーぶだった? 」
「 山本くんはいつも心配してくれるねぇ。君は優しい子だ。あ、勿論こーちゃんもな 」
「 ! 」









 歳が近いからなのか、山本くんとこーちゃんはよく張り合ってる。
 二人が、というよりは、こーちゃんが俺も俺もってアピールしてきてくれる感じかな。

 だから最近は、こっちから山本くんと一緒にこーちゃんの頭も撫でている。
 そんな必死にならなくても、ちゃんと分かってるよ。こーちゃんも山本くんと同じくらい心配してくれてるってこと。
 おねーさん、これでも一応ちゃんと君らのこと見てるから。









「 お、おねーさんのほうが……いっぱい、やさしーよ 」
「 なになに、川上くんもこーちゃんも、急に私のこと褒め出しちゃって。可愛いなぁもう 」
「 お、おれ、あの……お、おねーさんのこと……! 」
「 こーちゃん、おねーさんこまらせちゃだめだよ 」
「 ん?大丈夫だよ。私滅多なことじゃ困んないし 」









 こーちゃんが何か言ってくれそうな雰囲気があったが、その言葉を遮って山本くんが会話に入ってくる。
 私が困ることって、なんだろう。なにかそんな、「 そろそろ段ボールじゃなくてシルバニアファミリーみたいなめちゃくちゃ精巧に作られたマイハウスが欲しい 」とかかな。

 確かにそれは困るわ。
 持って帰ってくるときめちゃくちゃ恥ずかしいじゃん。








「 な、なんでもない…… 」
「 …… 」









 山本くんと共に、しょんぼりとした雰囲気を漂わせて伊沢くん達の元に向かっていくこーちゃん。
 ……そんなにシルバニアファミリーが欲しかったのだろうか。









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作者名:朝田 | 作成日時:2020年12月29日 18時

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