【完】社畜と七人の小人【all】 (ページ18)

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ピザパーティーページ18

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「乾ー！酒持ってこーい！」
「ちょっとAさん、ペース早すぎ」

　いつもは一人寂しく不定期で開催していたデリバリーパーティー、withピザ。
　どれだけどんちゃん騒ぎしても、返ってくるのは隣からの壁ドンと自分の声だけだったあの時間。
　別に慣れてるからそれでも楽しいことには楽しいのだが、やはり、たまには誰かと騒ぎたいわけで。

　でも今日は嬉しいことに、後輩も居れば七人の小人達も居る。
　私がハイペースで酒を煽っていれば乾が止めてくれるし、酔っぱらって絡みに行っても伊沢くん達は嬉しそうに話を聞いてくれる。
　勿論中には「うわ」みたいな顔で見てくる河村くんも居たけど、それでも、誰かが居るというのはそれだけで幸せなのだ。

「おい乾ー、聞いてくれよー」
「はいはい、なんですか」
「なぁんで聞いてくれないんだよぉ！」
「いや今聞く体制だったじゃん！」
「乾の馬鹿あああ！！うええええええ！！！」
「 ……酔っぱらいってめんどくさい」

　もうあまりハッキリとしていない意識の中、隣に座ってほろよいをチビチビ飲んでいた乾に猪の如く突進する。
　抱きつくんじゃない、突進だ。気持ち的にはレスリング選手。
　だって話聞いてくれないんだもん。
　鳩尾にクリーンヒットして気絶しても文句は言えねーよな。

　そんな床にはっ倒してやる気持ちで突進すると、ひょろひょろな彼の体はいとも簡単に倒れ、あっけなく私は彼の主導権を握ることが出来た。
　おーおー、君もまだまだだねぇ。

「へー、いー眺めじゃあん。ふへへへへへ」
「え、笑い方こわ」
「おい乾ぃ、はらし聞く気になったかぁ？」
「最初から聞いてるって」

　半分諦めているのだろう。私が彼のほっぺをつまんで「ふへへへへ」と笑っていても、乾は「勝手にして…… 」と言って死んだ魚のような目をしていた。
　まぁ大体私が酒入ったらこうだもんなぁ。後輩のお前ならなれちまったか。ふへへへへ。

「いった？！え、なに？！」
「いぬいー！おねーさんはわたさんぞー！」
「いや取ってないですって！てか急に手噛まないで？！」

　なにやら寝転がっていた乾は伊沢くんに手を噛まれたらしい。
　あらあら、お前もう嫌われてんじゃん。ぷーくすくす。( ※彼女のせいです )

　こうして、私と小人達の生活は、幕を開けたのだった。

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