【完】社畜と七人の小人【all】

知り合い小人化事件 ページ17

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　大学の先輩に呼び出されて小人を見に来たら、その小人がまさかの知り合いだった場合、俺はどんな反応をするのが正解なのだろう。


　少し前から、可笑しいなとは思っていた。

　実はつい一週間ほど前から、QuizKnockの顔とも言って良い七人が全くオフィスに顔を覗かせなくなったのだ。しかも連絡だって取り合えない。
　未読を二千件溜める伊沢さんはまだしも、割とマメなこうちゃんや山本さんだって音信不通。
　影の柱だった福良さん達にも連絡が取れなくて、今現在、会社はかなりドタバタしていた。




　忽然と七人が行方不明になるなんて、どう考えてもおかしい。
　だがそんなことを動画を通して報告してしまえば、あらぬ憶測が飛び交い、視聴者の方々を混乱させてしまうだろう。

　だからなるべく隠密に、悟られないよう、溜め録りした動画でなんとか凌いでいたのだが……流石に小人になってる事情は把握できない。









「 ……伊沢さん達、どうしたんですかその姿 」
「 おれらもさ、よくわかってねーんだよ。あさおきたら、このじょーたい 」
「 なんでAさんの家に……？ 」
「 さいしょ、おれらはみずかみにひろわれて、あいつのいえに、いたんだけど。あいついま、けんしゅーきかんだから、それで 」
「 Aさんも大分多忙な人ですけどね……俺駆り出すくらいだし 」








　小人化した理由は分からないが、この姿から元に戻らないことには、仕事復帰も難しいだろう。
　俺は実物を見たから信じれたけど、他の人にどうやって説明しよう……絶対頭可笑しくなったって思われるよな。
　だからって社員全員をAさんの家に呼んだら、今度はAさんが困るし。

　……でもまぁ、幸いなことに、俺は今日からお世話係としてこの家への出入りが簡単になる。
　解決方法ではないけど、彼らの状況が把握できる立ち位置に立てたのは、不幸中の幸いだろう。








「 いぬいー、いまかいしゃどーなってる？ 」








　すっかり小さい体を巧みに使いこなしているこうちゃんが、ひょいっと段ボールから飛び出てくる。
　結構大変だけど、恐らく彼らよりはまだマシな方だろう。だって、体は普通だし。









「 なんとか回ってるよ 」
「 そっかぁ 」








　ふにゃあ、といつも以上に蕩けた笑みを浮かべるこうちゃん。
　体が小さくなると、動作も少し幼くなるのだろうか。









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