【男主】身長8cmの高校生を拾った件について【BL】

寝床 ページ7

「とりあえず、そのままじっとてて。濡れたままだと風邪引くし」



そう言いつつ、ドライヤーをONにして
熱くないよう距離をあけてさとうに向けた。

さとうは「ぅわっ」と
一瞬吹き飛ばされそうになっていた。

小さいからすぐ乾いて、
カチッとドライヤーをOFFにした。



「俺が手洗いで服洗ってドライヤーで乾かしてくるから、それまでハンカチでしのいで」
「あっ、待って。下着は自分で洗う...」
「女子か」



まあいいけど、と言うと
さとうは器用にハンカチを自分に巻いて
洗面台に脱ぎ置いてた服の中から
下着を取っていた。


......女子か(2度目)



「排水口に落ちないようにしてね」
「うん」



そう言って蛇口を捻って、
さとうが流されないように弱めの水圧にした。

ざぶざぶと石鹸を使って服を洗って、
さとうに服を持ってもらってまた乾かす。

さとうが服を着て、俺も髪を乾かして
歯を磨いて(さとうは口をゆすぐだけ)
部屋に戻った。


さとうを机に下ろして、
クローゼットを開ける。



「さて。寝床どうしようか」



俺と一緒に布団に入ったら潰しそうで怖いし...。

何か丁度いいものは無いかなー、と
クローゼットの中を見渡して、
手袋が目に入った。

これなら、サイズ的にもぴったりでは？



「さとう、寝る場所、手袋でもいい？」
「手袋？」
「これ」


そう言って手袋をさとうの近くに置くと、
さとうが中に入っていった。

厚手の手袋だから、防寒はばっちりなはず。



「大丈夫そう、ていうか気持ちいい...」
「そっか、じゃあそれでいこう」



さとうはすでに寝そうだったから、
机の上なら潰さないだろうし、そのまま寝かせた。



俺も敷きっぱなしの布団に入って、
スマホでアラームを設定して目を閉じる。






「......キノ、キノ」
「ん〜...なに？」
「色々と、ありがとね」






おやすみ、と言ってさとうが手袋に潜る。





「おやすみ」と返して
俺もそのまま眠った。









小人との生活、か。
ペットともまた違うし
二人暮らしともちょっと違う。








変なの。






でも







楽しそう、とも思った。

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