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『あ、あ、の、ありがとうございました……!』
さっき、バサッとかけられたジャケットを
持ち主の所へ、返す。
……柔軟剤の匂いかな。むっちゃいい匂いだったな。
___まるで、返すのが惜しくて
ずっと抱きしめていたいような。
大したことしてないって、と笑うあなた。
先程、ばら撒きまくったプリントを一緒に拾う。
『柞木さんは?』
『保健室行って、事情全部話してきました。
そばに居ようと思ってたんだけど
先輩の所に早く行ってこいって言われちゃって』
若干、ニヤニヤしてた気がするけど
そこは触れないでおこう。
うん、何も無い。(と思いたい)
『先輩かっこよかったです、先輩居なかったらどうなってたかと…』
『あれ?先輩顔赤くなってません?』
プリントから視線をあげた先輩の顔は予想以上に
赤く染まっていて。
恥ずかしいから、こっち向かないで、と
首をがくりと下げられる。
あ、なんか、流れで、髪撫でられてる。
湧にぃが撫でるのとはちょっと違う。
割れ物を扱うような手つきで。
私もきっと、先輩に見せられないぐらい
顔が赤くて、胸の中がぐちゃぐちゃに熱いです。
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夕方の冷たい秋の風が頬の横を通っていく。
あぁ、気持ちいい。
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成瀬▼(プロフ) - まるさん» むしろコメントありがとうございます( ; _ ; )そう言って貰えて嬉しい限りです! (2019年11月2日 13時) (レス) id: 7e89a42ab7 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 一年前の作品にすみません!最後の展開(回想?)胸熱でした!素敵な作品をありがとうございます! (2019年3月19日 22時) (レス) id: 9d57b2db44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成 瀬 ▼ | 作者ホームページ:http://naru_se.0706
作成日時:2018年3月22日 17時