高 嶺 の 先 輩 。

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東亜学園に入学して早、1年。






この校舎に居るのもだんだん慣れてきたわけで。









清香｢なぁ、A｣









『ん？』









清香｢文化祭実行委員やってくれん？｣









人が気持ちのいい朝を迎えてる時に




なんでそんなこと言うかなぁ。









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キヨとは、1年の時に同じクラスになって


名字の頭文字が近いから、席が前後になって。








｢_中出身の、柞木清香です。

仲良くしてくれると嬉しいんだけど…！｣






『あ、えっと、山本です。こちらこそ』







『ユスキキヨカって………なんか女優みたいな名前だね』







清香｢それ、よく言われる｣








照れた様に笑う姿は女子でも可愛く見えて。







清香｢山本さんの下の名前なんて言うん？｣






『……A』








清香｢あたし、Aっていう響き好き！｣









清香｢Aに友達になって欲しいんだけど……駄目？｣








押されたら押し返せない私の性格上、




自然に｢いいよ｣って零したのが、キヨとの出会い。









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清香｢なぁ、この焼きそばパン美味しすぎるんやけど｣








『キヨ、何個目なのそれ、』








清香｢3｣








『アホなん？』









清楚そうな、名前と見た目とは裏腹に



よく食べるし、よく寝るし、







清香｢昨日、ラジオで新曲初フル解禁したの聞いた？｣





『当たり前、』





清香｢あのサビ前のさ、すーって息吸うところ良くない？｣






『思った。Aメロのさ、ドラムのテンポ好きすぎるんだけど』







案外、共通点が多くて。









好きなバンドだったり、作家だったり。








違う所を一つ挙げるとすれば、









清香｢今年の東亜祭は__｣









人前で話すのが得意か、不得意かということだ。









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『なんで私なの』








清香｢だって誰も女子手あげないんだもん｣







清香｢クラス委員忙しいし、A部活入ってないから暇そうだし｣







清香｢JKだぜ、想い出づくりしようぜ｣







『えぇ……』









私はそんなに人前に出るタイプじゃないから


あの人達みたいにキラキラしてみたいな、って


憧れは多少あって。









清香｢お願い！！｣









私は、あの頃のように





“分かった”と、押し返せずに

キヨに返事をしてしまうのだろう。









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