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俺は苦笑いしながら心の中で頭を抱えていた。
「真緒くんと凛月くんとどういう関係なんですか？」
「アイドル科ですか？」
この場合、正直に答えるのが妥当だろう。
「友達です。普通科の生徒です。」
と、正直に答えた回答が1番平和的なのだから。
しかし肝心な声が出ない。
こんなにたくさんの女子に囲まれているなんて今すぐ倒れて病院送りにされたいくらいだ。
そんな俺を気遣ってか、
衣「Aあんまり女の子得意じゃないので少し遠慮してくれませんか？」
と声をかけてくれている。
それなのに止むことの無い黄色い歓声。
凛月は痺れを切らしたのか、長いため息をついて俺の方へ近づいてくる。
そして、
凛「A〜」
『なn...えっ！？』
辺りがより歓喜の声に包まれた。
語尾にハートマークが付きそうな程に甘ったるい声で俺に抱きついてきたのだ。
まるで大衆の場に「これは俺のだ」と見せつけているような抱きしめ方に、俺は思わず顔が赤くなった。
そんな俺を知ってか知らずか、凛月は妖艶に笑い俺の唇に人指し指を当てている。
凛「Aの唇、柔らかそう。食べちゃってもいいよね〜？」
『え、えっと、、』
衣「これ以上は学校に遅刻してしまうのでいいですか？」
俺が答えようとした瞬間、俺と凛月の手を掴んで真緒が走り出した。
流石に自分達も遅刻すると思ったのか、ファンの人達は追いかけて来なかった。
俺達が学校に着いたのはSHRが始まる1分前。
普通なら走って教室まで急ぐが、
俺は凛月に抱きつかれた余韻に浸りながらゆっくり廊下を歩いて行った。
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作者名：ゆうきよ | 作成日時：2018年3月21日 22時
