番外編 #1 ページ4
貴方side
それは、アラゴルン、レゴラス様、私で宿に止まった時のこと。
三人で同じ部屋だったのはいいものの、アラゴルンはずっと起きてるし、レゴラス様もずっと起きてるし、私は寝ていいのかわからなかった。
ﾚｺﾞﾗｽ｢…どうした？眠いなら寝ていいぞ。｣
レゴラス様は船をこぐ私を見て、解せない、とでも言うような顔をしてそう言ってくれたけれど…。
｢…二人が起きてるなら私も起きてます。｣
ｱﾗｺﾞﾙﾝ｢…明日は早い。お前はもう寝ろ。｣
｢！なんか子供みたいに言うのやめてくれないかな。私だって一応ここ数百年は生きてるし。｣
ｱﾗｺﾞﾙﾝ｢？でも容姿は子供だろう。レゴラス、寝かせろ。｣
っ！…なんなんだこの父親感は…。
レゴラス様は結構アラゴルンに忠実なので、私はベッドに行かされ無理やり寝かされた。
これで明日起きたとき部屋に私だけとかだったらガンダルフの所に帰る。
と心に誓って目を瞑ったのだった。
*
翌朝、ちゃんと二人はいた。
その事実に心からほっとし、朝食にレンバスを食べて出発した。
ｱﾗｺﾞﾙﾝ｢ここら辺でAと剣を合わせるか。上達はしたのかな？｣
｢ああ…それならもう十分したよ。アラゴルンになら勝てるかな。｣
ﾚｺﾞﾗｽ｢はぁ…A、あまり見栄は張るなよ？｣
レゴラス様のそんな言葉耳にせず、私はアラゴルンに襲いかかった。
…が、簡単に避けられる。
くっそ、アラゴルンは全く動いてないのに私ばっかり動かされてる…！
ﾚｺﾞﾗｽ｢せっかく小さいんだからもっと体を上手く使え。｣
｢っ…それ褒めてるんですかｯ…！｣
ﾚｺﾞﾗｽ｢当たり前だ。腰を低くして……と、はは、もう勝負ありだな。｣
｢ｯああ〜〜っ…また負けた。｣
ｱﾗｺﾞﾙﾝ｢私には追いつかないが腕は上がったみたいだな。｣
アラゴルンは意地悪そうに笑って私に手を差し出した。
私はその手をとって立ち上がる。
一体どこに向かっているのかわからない旅でも、この二人と一緒にいれるのは楽しいから好き。
…たまに、ごくたまに、あの頃が恋しくなったりもするけれど。
風の噂で聞いた、ビルボはまだ元気に生きているらしい。
いつかホビット村まで会いに行けたらいいなぁとは思うけれど、多分無理そう。
ボフールやボンブール、グローイン達は元気かな。
なんて、空を見上げながら思うのです。
今でもまだあの三人が、私を見てくれてるんじゃないかって信じてるから。
番外編 #1 Fin.
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作者名：妄想族同盟No.1 | 作成日時：2019年1月12日 18時
