あなたが居なくなった世界は【佐野万次郎】

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手術中の赤いライトが消えて中から出てきた医者にそう告げられたのは、日付が変わって12月25日の朝の６時だった。





｢〜〜〜っ…！！！！｣

ドラケン｢っ！！！｣

春香｢っ、、、！！｣





みんな言葉が出なくて、ただただAの無事に涙した。

医者の話によるとAは腹を３箇所刺されていて、助かる見込みは限りなく０に等しかったそう。
手術中何回も危険な状態になり、Aはその度に持ち堪えたらしい。
ひとつの峠をこえたあとは、急に容態が安定しだしたって。





｢っ…頑張ったな、A、、。｣





手術後、病室に運ばれたくさんの管に繋がれたAを見ながらそう零す。
あまりにもその姿が痛々しかったが、生きているという事実だけで今は充分だった。





＊





ドラケン｢それで、犯人はわかんねぇんだよな。｣

｢ああ。…でも、、｣

ドラケン｢…意図的にAを襲ったんなら、それは間違いなくマイキーと関わってる奴だろ。｣





Aの命が助かってそっと一息吐きながら、俺達は病室の外で話し合っていた。





｢……犯人は、梵天のメンバーだ。｣

ドラケン｢…ああ。｣

｢…つか、Aがマイキーと会ってたこと知ってんの？｣

ドラケン｢知らねぇよ。勘だ、勘。｣

｢…やっぱ怖ぇな、お前。｣





しばらくすると病院に警察がやってきて、第一発見者である春香ちゃんと、Aが襲われる前最後に会っていた俺は事情聴取をされた。
警察も犯人の目星は付いていないらしい。
全くの無関係者だったドラケンは店に戻って、梵天のメンバーを洗いざらい調べると言ってくれた。

どこに居たって必ず見つけ出して、警察に突き出してやる。





＊

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